≪テーマ: 借換の現状と問題点≫
借り換えの市場規模は99兆円
◆今週のゲストコラムニスト◆
ホームローンドクター 淡河範明社長
変動金利も対象に
住宅金融支援機構の「2015年度民間住宅ローンの貸出動向調査結果」によれば、12年ころから取引額は減少傾向となり、15年は新規貸出金額の約25%となりました。しかし、昨年は日銀のマイナス金利の導入で住宅ローン金利がさらに低くなったため、借換取引は大幅増となったと思われます。では、借換はもう刈り取られてしまったかといえば、そうではありません。
国土交通省の「平成27年度民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、住宅ローンの貸出残高は157兆円(2014年)です。このうち、借換の対象とならないのは、残存期間10年以下、2年以内の新規借入と考えられるので、その貸出残高をそれぞれ30兆円、28兆円と推計すれば、99兆円と莫大な市場が眠っています。
このように大きな市場となったのには理由があります。残高の半分以上の金利タイプは変動金利と推測され、変動金利はこれまで借換の対象ではなかったのですが、その変動金利が総貸出残高の約半分あると推計されています。昨年から変動金利よりも安い5年固定、10年固定が登場したことから、変動金利が借換対象となり、市場が倍増したのです。
商品選択が困難
借換を行うにあたって、大きな問題が2つあります。
まずは、どの商品に借り換えるのか、選択が簡単ではない点です。

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