月次計画も評価も利益ベースで管理
滋賀県でリフォームを16億円売り上げているのが匠工房(滋賀県野洲市)だ。県内でもトップレベルの売り上げだが、重視するのは粗利。徹底した粗利改善に取り組み、従来より10ポイント以上上がり、粗利率は38%にも。
各営業マンを「粗利」額をベースにリアルタイムでランキング化。店舗のモニターに表示
4年間の「利益」改革
匠工房の特徴は高い粗利益率だ。業界平均は30%ほどといわれる中、同社は38%。「30%なら契約できそうですと営業マンから相談されたら無理に契約しなくてもいいと言います」。こう話すのは室田智之社長。粗利を重視しだしたのは4年前。「当時は25~28%で、売り上げが伸びても利益が出にくい。低すぎた。徹底して粗利管理を始めたところ今のようになりました」粗利改善のコツは「仕組み」の導入にある。1つは月次計画と評価を粗利ベースにすること。店舗も23人いる営業マンも達成すべき計画は「粗利」額だ。売り上げではない。
評価も粗利。例えば一般社員の場合、半年間で粗利1200万円、もしくは3カ月連続200万円を達成すれば、主任職に格上げとなる。しかし「主任になってから半年間で粗利1080万円を稼げないと元に戻ります」(室田社長)
粗利管理の仕組みも独特。各店舗に41インチモニターが置かれ、画面には各営業担当の粗利額を公開。成績の良い順にランキング化されており、契約が取れたら、リアルタイムで順位が入れ替わる。これはセールスパフォーマーというツール。「同期のライバルや先輩も含めてみんなの成績が見られます。営業マンはけっこうこういうのが好きで、月末には順位が大きく変わったりします。モチベーションを上げ、粗利を意識してもらう大事な取り組みです」(室田社長)
室田智之社長
また、インセンティブの仕組みもある。 工事現場の近隣営業で契約に至れば粗利益の5%を還元する。 ただ、粗利が高いと相見積もりの際に不利にならないのか。 「安いものを求めている人からすれば高いと思われます。でも私どもの営業には御用聞きになるなと言っています。これがしたい、わかりました、ではなくて、主導権を握ってこういうリフォームはいかがですかと付加価値を提案していくので、必ずしも不利になるわけではありませんし、満足してもらえる提案を心掛けています」 もちろん提案スキルも磨く。 2?3週間に1回営業のロープレを実施。 各店舗に設計担当がいて、プランニングのバックアップもある。 さらに最近は営業コンサルタントによる6日間の研修を受けるなどもしている。 室田社長はこうも話す。
「僕らの業界の粗利率はすごい低いと思います。やっている業務内容からすると45%くらいでもおかしくないと思います」

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