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【実態調査】各社の見積もり作成の工夫とは?

【実態調査】各社の見積もり作成の工夫とは?

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リフォーム経営の実態を明らかにする企画。今回のテーマは「見積もり」。各社どのように見積もりを作成しているのかリフォーム会社6社に調査した。

《調査項目》
(1)リフォーム売上高
(2)リフォーム平均単価
(3)受注率(見積もり提出に対する契約率)
(4)月にどれくらいの見積もりを作るのか
(5)見積もり作成にかかる時間
(6)見積もりを早く作るための工夫
(7)見積もりの説明の工夫
(8)諸経費の説明の仕方
(9)粗利益の乗せ方
(10)値引きのルール

さくら住宅
数万件の過去見積もりを保存、似た工事素早く検索、成約率75%に

リフォームを年2400件も手掛けるさくら住宅(神奈川県横浜市)は、見積もりを1人で月20件前後作成している。成約率は75%と高確率だ。

同社では、正確で素早い見積もりを作成するために2つの手間をかける。1つが、現場調査を入念に行うことだ。

現地調査を行う際には、例えばキッチンのリフォームの場合は最低でも40枚、条件によっては100枚以上写真を撮影することもある。これは、工事で希望商品が搬入できるかをイメージすることで、見積もり制作、工事開始後に起こる可能性のあるミスを防ぐためだ。

「キッチンの内側はもちろん、外側も撮ります。なぜなら、搬入経路も見ないといけないからです。長物は回転しません。搬入経路を事前に確認することで、お客様の希望するキッチンやバス商品が入らないこともあるので、それを事前に伝えます。時には職人さんも連れていき、正確な見積もり作成につなげます」(鎌倉店店長代理営業部係長・大橋莉衣氏)もう1つが、工事内容に合わせた雛形を社内で共有、伝承することだ。各個人が、先輩から引き継いだExcelのオリジナルの見積書を持っている。

「リフォームで同じ現場はないですが、一例として使います。水まわり4点や、それに付随する工事の雛形があります。それがあれば、どういうことに気を付けるか、確認しなくてはいけないかがわかる。伝統を受け継ぐ文化があります」

また、社内サーバーに見積もりの管理フォルダもある。この管理方法を始めて10年経っていないが、万件単位の事例がストックされている。

「営業だけでなく、現場監督も全員見ることができるので、どのお客様の家でどういう工事がいつ行われたかわかるのです。ですので、難しい事例が出てきても、似たような工事を検索でき、当時の見積もりのリンクがついている。当時の担当者に聞くことができるので、起こりやすいミスなども共有できます」

細かい配慮では、お客さんの年齢によって使用する言葉を変えている。例えば、若いお客さんには、ユニットバスのように横文字を使って伝えるが、一方で高齢のお客さんにはお風呂と伝える。

「共通して気を付けているのは、建築用語を使わないこと。お客さんに合わせて説明方法を少しずつ変え、満足度や納得のしやすさにつなげます」

(1)13億7000万円
(2)約60万円
(3)75%
(4)20件前後
(5)1時間以内
(6)これまでの見積もりや工事記録を会社のフォルダに保管、いつでも調べられるようにする。雛形を先輩からもらう文化がある
(7)図面も活用したり、カタカナ文字は高齢者には使わないなど、わかりやすく説明する
(8)―
(9)非公表
(10)値引きできない理由(人工代など)を説明し、値引きはしない

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