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【実態調査】リフォームの見積もりは「工事順」にするべき理由

【実態調査】リフォームの見積もりは「工事順」にするべき理由

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リフォーム経営の実態を明らかにする企画。今回のテーマは前号に続く見積もりの2回目。各社どのように見積もりを作成しているのかリフォーム会社2社に調査した。

《調査項目》
(1)リフォーム売上高
(2)リフォーム平均単価
(3)受注率(見積もり提出に対する契約率)
(4)月にどれくらいの見積もりを作るのか
(5)見積もり作成にかかる時間
(6)見積もりを早く作るための工夫
(7)見積もりの説明の工夫
(8)諸経費の説明の仕方
(9)粗利益の乗せ方
(10)値引きのルール

そでがうらリフォーム
工事順に見積もり記載、項目漏れ防いで受注率60%

リフォーム業で年間1億3000万円売り上げるそでがうらリフォーム(千葉県袖ケ浦市)は、水まわりや屋根、外壁塗装リフォームをメインに年間150件の工事を行っている。施工単価は45万円から50万円。同社のユニークな点は、見積書の項目を、実際に工事を進めていく順番に記載していることだ。

この取り組みについて、笹生哲也社長は「工事の順番に記載していくことで、見積もり作成の際に記載漏れを防いでいます。正確な見積もり金額をお客様に提出することで、安心して打ち合わせに臨んでいただけるのです。実際の工事の順番通りに記載してある方が、お客様も理解しやすいと思います」と語る。

例えば、1月11日に同社が作成した、浴室と洗面所の改装工事の見積書には、浴室解体から、洗面所の設備交換まで、作業の順番通りに14の項目を記載している。順番としては、(1)既存の浴室の解体、(2)給排水菅の切り回し、(3)電気の配線工事、(4)新規バス設置工事、(5)浴室の入り口枠取り付け、(6)浴室のクロス張り、(7)既存の給湯器取り外し、(8)新規の給湯器の取り付け、(9)既存の洗面台の取り外し、(10)新規の洗面台の取り付け、(11)洗面所の床取り外し、(12)洗濯機の水栓交換、(13)洗面所のドア交換、(14)照明器具の取り付けとなっている。

そでがうらリフォーム 工事の順に並べられた見積書工事の順に並べられた見積書

見積もり提案に関するその他の工夫として、早めの見積書作成がある。早く見積もりを出すことができる理由は、職人への発注金額を、それぞれの職人と取り決めているからだ。同社は例えばこのリフォームだったらいくら、といったように各職人と取り決めているので、逐一値段を問い合わせる工程を省くことができる。粗利益については各項目、均等に約30%のせる。諸経費は工事金額の5%。値引き交渉があった場合、最大値引いたとしてもこの諸経費分の5%。値引かれなければ約30%以上の粗利益を確保できるように設定している。同社の営業は、笹生社長を含めた2人担当しており、担当一人当たり月20から30の見積もりを作成している。そのうち、受注率は50%から60%だ。笹生社長の営業の年間売上は6000万円ほど。

早めの見積もり提出を行う理由として、笹生社長は「早期に工事金額を明らかにしてあげることで、お客様に工事について検討する時間を長くとってほしいためです。すべてのお客様に、納得して契約していただきたいんです」と話す。

今後、5年後を想定して、もう一人の営業を担当している社員へ事業承継を行う予定だ。それに伴い、新たな営業担当の採用に力を入れて取り組んでいく。2019年の台風15号の被害補修の特需により、今期は前期から3000万円の増収となる1億6000万円の売り上げ見込み。

(1)1億3000万円
(2)45万~50万円
(3)60%
(4)20~30件
(5)約1時間
(6)各職人への発注額をあらかじめ取り決めている
(7)必ず対面で行う
(8)事前に対面で説明しておく
(9)各項目に30%ずつのせる
(10)諸経費(工事費の5%)分の値引きが限度

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