いかに早く、正確に、効果的にできるか、見積書の作成に頭を悩ませる営業マンは多い。リフォーム専門コンサルタントの越光雅也氏は、テクニックに頼らず、「基本に忠実」であることが時間の短縮と顧客の信頼につながると説く。相見積もりを気にしないこと。施工原価を定めること。わかりやすく明瞭にすることが重要だ。
【リポート/編集長 金子裕介・芦原拓】
GRiMZ(神奈川県横浜市)
越光雅也 代表
《プロフィール》
住友不動産のリフォーム事業に従事し、営業マンとして全国売り上げ1位を2度獲得。その後、リフォーム経営コンサルタントに。現在は「パーフェクト・リフォーム・プロジェクト」という業者向けの営業・施工管理教育を行っている。
Q.見積もり作成の時間を短縮するには?
A.「施工原価」を定めることが重要
「見積もりが早く作れない」ことの最大の原因は何か。越光氏によれば、その根本的な理由は「施工原価が定まっていない」ことに起因する。
多くのリフォーム会社が、その必要性を認識しながらも、施工原価を決めていない。
下請け業者の多くは、職人の経験や技術の差、または、例外が発生しやすい仕事であることを理由に、工事単価を定めることに抵抗感を抱いている、と越光氏。そのため越光氏は「根拠を明確にして、さまざまなオプションも折り込み済みで、交渉していく必要がある」と、話す。
×NG例×
見積もりを作る度に発注単価を、何度も職人に問い合わせる
Q.相見積もりされた時に高く思われないために工夫すべきことは?
A.同じ条件で相見積もりできていないことを指摘する
顧客が見積もりを見て「高い」と感じるのは、ネットなどで他社の情報を目にしたり、相見積もりしたときだ。だが、越光氏は「厳密な相見積もり自体に無理がある」とし、他社に合わせて値下げすることなく、顧客に納得してもらうことを求める。
「同じキッチンの解体工事でも、キッチンの交換のみか、タイルの張り替えが必要か、腐食している部分を変えるか。解体する範囲によって値段が変わります」
見た目の印象は同じでも、細部のクオリティは事業者によって異なる。越光氏が作成した見積書には「※キッチンパネルは既存タイル上貼り」など、細かな注意書きがしてあるのも特徴だ。
×NG例×
他社の価格を意識して値下げに応じる
Q.見積もりを出す上で気をつけることは?

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