北山建築(三重県松阪市)は新築事業を中心に手掛けていたが、需要が少なくなってきたことから、リノベ事業を本格化した。2021年4月期のリノベの受注額は約2億3000万円を見込む。800万円以上のリノベを13~14件受注し、一番大きな受注額は約2700万円。営業はリフォーム未経験の中途入社の社員2人。事業開始は2019年6月。以前は小規模工事が中心で、売り上げが約5000万円だった。なぜ伸びたのかを北山裕史社長に聞いた。
【リポート/編集部 堀口泰生】
家づくりCafeを案内する葉書
業者選びを解説
「家づくりCafe」という勉強会が受注増の要因だ。この場では自社の紹介や、売り込みはしない。リフォーム会社などを検討する際に、損をしないための知識やコツを伝えるのだ。「カフェ」という名の通り、同社のショールームスタジオで、ケーキなどを食べながらセミナーを聞いたり相談ができる。
断熱、耐震、収納、資金計画の項目に沿って会社選びのポイントを解説する。例えば、断熱は「断熱性能は建物の性能ではなく、断熱材の性能です。その断熱材をどう施工するかによって、建物の寒さや温かさも変わってくる。お客様へは正しい施工をする会社を選ぶべきとお伝えしています」と北山社長。
会社選びの基準を顧客に学んでもらうことで、価格での相見積もりにもなりづらい。「お客様が会社選びを迷った時に、施工力や品質など『見極めのポイント』を初めにお伝えしておくことで価格競争にはなりにくくなります。お客様が何社か検討した後『北山建築は品質面がしっかりしているんだな』と感じてもらえ、選んでもらえます」と北山社長は話す。

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