リフォーム業界の実態を明らかにする企画。今回のテーマは「ヒアリング」。各社どんな工夫をしているのか、8社に調査した。
《調査項目》
(1)リフォーム売上高
(2)平均単価
(3)競合を聞くか、聞かないか?
(4)予算の聞き出し方の工夫は?
(5)ヒアリング時間は?
(6)何人で行う?
(7)人員体制は?
(8)ヒアリング項目は?
(9)ヒアリングシートの有無
(10)施主の不便、希望を聞き出す工夫
(11)ヒアリングの際に使うものは?
(12)ヒアリングの精度を高める工夫
(13)現調はヒアリングの前か後か?
(14)メモを取る際の工夫は?
CONY JAPAN
8つの質問で潜在的ニーズを引き出す、理想の生活をヒアリング
リフォーム事業を手掛け、年間58億円を売り上げているCONY JAPAN(大阪府大阪市)。同社は、運営する水まわりリフォーム専門店「リフォーる」において、緻密なヒアリングを徹底。専用のヒアリングシートを使って、その顧客に本当に必要な商品を選び出すことに成功している。
シートの名前は「住まいのカルテ」といい、シートに沿った質問を購入希望者に行っていくことで、自然と潜在的なニーズを引き出すことができる仕組みになっている。その項目は、1.リフォームするきっかけ、2.リフォームの経験、3.お住まいの住宅の築年数、4.リフォームするときに重要視する要素はなんですか(価格、性能、担当者の印象など)、5.家族構成、6.(おられるとき)お孫さんが帰省する頻度、7.生年月日、8.自由記入、の8項目となっている。1から4のような基本的な質問から、5や6のようなライフスタイルに深く踏み込んだ質問まである。例えば5の質問からは、施主宅の広さを考え、導入する住設機器の最適なサイズを計算することができる。また6の質問からは、お孫さんの帰省頻度の高低に合わせて、提案するバスの大きさをあらかじめ絞ることができる。
質問項目以外にも、顧客の潜在的なニーズを明らかにするために何気ない雑談を行うことがある、と赤石幸彦専務取締役は語る。「例えば私でしたら、施主様がお風呂によく入られる時間帯を聞きます。まだ気温の高い、比較的早い時間に入浴なさる習慣をお持ちの方には、カビの繁殖を抑えるため除菌効果に優れた給湯器をお勧めしますね」(赤石専務取締役)
ヒアリングは営業担当者が一人で行い、ベテラン社員であれば15分で終えてしまうと赤石専務取締役。ヒアリングの結果明らかになったニーズを満たす商品を、必ず最低3つ提案し、施主に選んでもらっている。
「水まわりリフォームで、ここまで施主様の生活に踏み込んだヒアリングを行うのは珍しいかもしれません。会社側が売りた
いものではなく、施主様が本当に必要としているものを売ることによって、顧客満足度を上げることができるのです」(赤石専務取締役)
(1)58億円
(2)40万円
(3)聞かない
(4)特にない
(5)10~15分(6)1人
(7)営業のみ
(8)8項目。どんな生活を送りたいのかを聞く
(9)ヒアリングシート有り。家族構成や、お孫さんがいるかどうか聞く
(10)雑談の中から生活の困りごとなどを察知する(狭い、寒いなど)
(11)手書き (12)特になし
(13)現調が先
(14)ヒアリングシート活用。チェックシート形式になっているので、顧客に記入してもらうことも
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