大成建設グループの大成有楽不動産販売(東京都中央区)は、2000年からリフォーム事業をスタート。当時(2007年)は平均単価160万円、工事件数は年間600~700件だったが、業務効率を高めるための舵切りに成功。現在の平均単価は370万~400万円、年間工事件数はおよそ半分の300件。件数を抑えながらも、単価をアップし、生産性を向上させた。
はじめの導入はANDPADの写真管理機能の活用から。
大幅な業務改善に成功、残業時間は半分以下に
仲介と同時に発生するリフォームに対して、顧客の抱える不安や要望に対応するため、ワンストップでリフォームの提案を開始した同社だが、リフォームの人員体制は、全体で25人。うち、営業12~13人、現場監督4人。首都圏に37拠点あるリフォームセンターを営業一人あたり3センターを受けもつ計算だった。担当する案件も平均単価160万円の工事を60件前後と多忙を極めていた。
「当時は残業が何十時間にも。今は就労面はかなりシビアですし、顧客の求める品質も高まる中、生産性を上げていくための解決案を模索していました」(椿嘉郎室長)
そんな中、2013年に「定額リフォームパック」をスタート。仕様の決まった定額商品をつくったことで、不動産仲介担当もリフォーム提案を行えるようになっただけでなく、「定額リフォームパック」の提案をフックにさらに付加価値を高めたプランにスケールアップさせ、大幅な単価アップを成功させた。
リアルタイムで現場写真を共有カメラマンが撮影した大型物件の写真をまとめて保存し、ポータブルデバイスを常に持ち歩き営業マンの提案資料として活用
さらに同社では2016年施工管理アプリANDPADを導入。デジタルシフトによる業務効率化に着手した。はじめに活用し始めたのは「写真管理」機能だった。これまでも現場写真は協力会社が撮影したものを保存管理していたが、写真撮影から共有までにタイムラグが生じる上、管理も煩雑になりがちだった。同システム導入後はリアルタイムで現場写真を共有できるようになった。トラブルが起こりがちの水まわりの隠蔽部なども、施工前・中の状況を後から確認しやすくなり、問題も改善し残業時間も半分以下になった。
さらに同社では、チャット機能を活用して「リフォームサロン」と名付けた情報交換の部屋も開設。このスレッドを、新人がベテラン社員に質問やアドバイスを受けられる場所として機能しており、情報交換を超え、ちょっとした社員教育の場としても生かされている。
【企画開発部マネージャー/鹿熊佳恵】

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
WEB限定記事(2025/06/23更新)
-
1653号(2025/06/16発行)4面
-
1653号(2025/06/16発行)4面
-
1653号(2025/06/16発行)1面
-
1653号(2025/06/16発行)10面