反り伸縮が少ない、柾引きの桐建材だけを取り扱うのが新潟県にあるイシモク(加茂市)だ。安藤智子社長は「桐建材は値段が安い類似品が多くあります。柾引きを行い、渋抜き・乾燥をきちんと行うことで板が割れたり、虫が発生したりすることを防ぐことができます」とこだわりを話す。
柾引き桐建材
リビングを全面桐で施工した様子
桐材の特徴は高い断熱性能と調湿性能。天然の発砲スチロールと表現されるほど熱伝導が少ない。また、湿気が高いときは吸収、低いときは放出する機能をもつため、空間に利用すると快適な環境が保つことができる。
同社は元々、桐ダンスの製造をしていた経験から桐建材事業に参入。現在は床材、壁材、階段踏板、置くだけのフローリングパネルなどを販売する。
「原版加工までの作業を中国の工場で徹底した管理で行います。輸入後、加茂の工場で高品質の桐建材に加工しています」(安藤社長)
桐材の中でも高グレードの部位だけを厳選して利用するのも同社の特徴。材を柾引きした際、柾目の細かい柾板のAグレード、荒い柾目と板目混合材であるBグレード、辺材のたくさん入ったCグレードにわかれる。A、Bグレードのみを利用するため、丈夫で伸縮なども少ない材となっている。
床材は長さ1818mm×幅151mm×厚み12mmのもので設計価格4万2300円。壁材、長さ900mm×幅1815mm×厚み20mmで設計価格2万8800円だ。
「工程を省いた廉価な素材と比べ、汚れがつきにくく復元力も強く、長く使用しても劣化が遅いです。違いは5年後、10年後にわかります」(安藤社長)

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