創業者の高齢化に伴い、二代目への事業承継に頭を悩ませるリフォーム会社や工務店は多いのではないか。社長職がただ入れ代わるのではなく、築きあげてきた伝統や誇りを残しながら、いかに時代に即した組織として発展させるかが重要だ。かつて職人上がりの創業者が率いていた2つの老舗工務店の二代目に話を聞いた。
【リポート/編集部 芦原拓】
建設業許可も別途取得
新築を年30棟ほど手がける森大建地産(三重県伊賀市)では、10年前に二代目の森秀樹氏が社長に就任した。ここで課題だったのが、創業者の父と意見が異なった点だ。今まで個人事業主だったが、それを社名変更し、新たに株式会社にしようとしたところで摩擦が生じた。
父は一人親方として年5億円を稼いできた実績があり、わざわざ社名を変え、株式会社化することの意義を見出せなかった。さらに、建設業許可を引き継ぐと、父から大工の仕事を取り上げることになってしまうため、快く思われなかった。
「アラビックという社名で株式会社にして、父の建設業許可を新会社に移行しようとしていました。ですが、話した日の翌日、父の姿を見たら、生きる気力を失ってしまうように、意気消沈していました」

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