リフォーム経営の鉄則 「人材採用」編
「新卒採用を本格化したいが、何から始めたらいいかわからない」「人材紹介会社や求人サイトに登録するなど、お金はかけられない」、そんな経営者でも取り組みやすい、多くの成功企業に見られる3つのポイントを解説する。【まとめ/編集部 後藤梓】
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ポイント①自社の魅力を発信し、学生の心を鷲掴みに!
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ポイント②選考では「内面」を徹底チェック!
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ポイント③内定後の入社前フォローも忘れずに!
ポイント①自社の魅力を発信し、学生の心を鷲掴みに!
いくら自社のカラーに合う優秀な学生がいても、そもそも応募してこないと採用することは出来ない。採用に成功している企業は、みなただ応募待つだけではなく、自社について知ってもらう「攻めの姿勢」になっていた。具体的にやるべきことを4点紹介する。
1-1 しっかり休める!ワークライフバランスを整えよう
そもそも福利厚生を整備しているだろうか。「長時間労働がないかなど、ワークライフバランスを重視している学生は非常に多い」と語るのは関西工務店(奈良県大和高田市)の吉田泰造社長。社員の労働時間が減ると、売上が下がると不安な人もいるだろう。だが社員の働きやすさを整えれば、健康的に長く勤務してほしいと従業員を思いやる姿勢を打ち出せ、学生の注目を集めることが可能だ。
休みを取りやすくし、残業時間を減らすためのフロー
- まず現在の労働環境を把握する
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- 仕事を効率化させるITツールを活用する
- 新制度を制定(ノー残業デー、残業の事前申告制度、労働時間をITツールで管理)など
- 年間最大20日の有給休暇の取得可能
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- 週休2日制を徹底
- 冷蔵庫を設置する「オフィスおかん」を導入し、ハンバーグといった惣菜を社内ですぐ購入できるように
- これらの取り組みを会社説明会の質疑応答でアピールしたこともあり、5年前は採用ゼロだったが4人の入社に成功した。
- 関西工務店(奈良県大和高田市)
- 年間休日数を90日から110日へ増加
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- 見習いの時でも会社負担で作業着や道具を支給
- 独立を認める
- 高卒の職人採用も強化しており、今年は2人の高卒が入社、来年はさらに3人の入社を見込む。30校ほど訪れた際に労働条件の良さをアピールし、教師が学生に薦めやすくなったのが要因だ。
- ナサホーム(大阪府大阪市)
1-2 ホームページで「リアルな情報」を発信しよう
会社説明会やインターンシップなど、学生に対面でアピールするイベントを開催するだけでは、応募者増加に繋げるのは難しい。まず「直接会社を訪れ、もっと知りたい」と思ってもらう仕掛けをしよう。
そのために効果的なのはホームページだ。制作する際は会社概要や募集要項だけではなく「会社のリアルな情報」を徹底して発信すべきだ。
- 外からだと全く分からない「社員の人柄」を表に出す
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- 社員紹介や座談会ページ、職種紹介、スタッフブログなどを掲載
- スタッフブログでは仕事やプライベートな話などさまざまな内容の記事が並び、ある営業マンは自身のキャリアアップを振り返る内容だ
- テオリアハウスクリニック(東京都練馬区)
テオリアハウスクリニックの求人専用ホームページには、スタッフブログを掲載
- 入社後の研修制度や働き方に関する制度なども細かく載せる
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- 社員インタビューのコーナーを設ける
- サンリフォーム(大阪府大阪市)
仕事の楽しさを知ってもらい入社の意欲を高めるのはもちろん、辛いことや大変なことなどネガティブな面も包み隠さずに伝え、入社後のミスマッチも防ぐべきだ。
1-3 説明会では「理念」を強調しよう
説明会ではホームページなどネットでは伝わりにくい、「理念」の紹介に特に注力するよう工夫するべきだ。
- 1時間の説明会において、「会社のストーリー」をメインに説明する。
- 「沿革をお話し、会社の思いや考えに共感してもらえる方に来てもらいたい」(伊藤博昭社長)
- イトコー(愛知県豊川市)
- 会社説明会で「おもてなし」に注力
- 理念の1つは「感動の提供」。これを伝えるために会社説明会で「おもてなし」に注力している。例えば志望者の名前が入っている珪藻土のコースターやお菓子などを用意して出迎える。求職者にも経営理念が伝わるように接することで、「感動の提供」という価値観をわかりやすく示す。
- リアンコーポレーション(栃木県宇都宮市)
理念に共感できる人材の方が志望度が高く、入社後も活躍する可能性が高まる。理念があやふやな企業には志望度が高い求職者から応募が来ないだろう。理念が明確化していない場合、「なぜ自社が存在するか」や「事業を通し達成したいこと」を考え、経営を進める上での判断基準をわかりやすい言葉で設定してみよう。
リブウェルヤマザキ(大阪府松原市)の説明会では、金井敬社長が登壇。家族や趣味について自己紹介をし、会社のビジョンも話す
1-4 インターンシップで実務体験を
学生の志望度を高めるには、会社の良さを実感してもらうだけではなく、仕事への関心を深めることも重要だ。社員の声を発信するだけではなく、インターンシップで実務に近い経験をしてもらい、業務の奥深さややりがいを知ってもらおう。
実際の労働内容に出来るだけ近いプログラムを用意
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- 友人同士で住むシェアハウスの間取りを考える
- パワーポイント上の図面を操作しながら、既存の間取りから、どのように改修をすれば住み心地の良い家になるか、学生らが考える場となっている
- 老夫婦の住宅を考えるため、ヒアリングやプラン設計をロールプレイング形式で行う
- アートリフォーム(大阪府吹田市)
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- 1日、3日、5日コースと分かれている。
- 5日間コースの内容
初日は新築のCAD体験、2日目は新築の現場管理、3日目はリフォームの現場管理、4日目はショールームを通じて営業、接客、5日目はメンテナンスと、幅広い業務が体験可能。
- マツワ(鳥取県鳥取市)
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