jigsaw(ジグソー・高知県高知市)は、デザインと性能のどちらも兼ね備え、なおかつ手頃な価格の規格住宅を展開。創業3年目で受注目標40棟を掲げている。特徴は浴室にエアコンを設置したり、ベランダを設けないなどこれまでにはない概念を取り入れた点。なぜそのような住宅をつくったのか。5つあるスタイルの中から「Grand」のモデルハウスをリポートする。
【リポート/企画開発部 長田京子】
面積32坪の2階建て3LDKで、本体価格は税込2099万円
窓台の薄さにまでこだわったデザイン
Grandは2階建ての3LDK。面積32坪で、本体価格は税込2099万円だ。玄関ドアを開けると階段が吹き抜けになっており、窓から光が差し込む。玄関からそのままつながるリビングの床にはタイルを張り、上質で落ち着いた趣に。ダイニングからは床の高さを上げ、フローリングを張っている。全体的に明るく開放的なつながりがありつつも、異なる雰囲気を演出して空間に奥行きをもたせている。キッチンと背面収納は「GRAFTEKT(グラフテクト) 」の商品を採用。シックでスタイリッシュな空間を壊さないよう、窓台は6mmの薄さにするなど細部にまでデザインにこだわっている。
開放感があり、タイル張りで上質な雰囲気のリビング
キッチンと背面収納は「GRAFTEKT(グラフテクト)」を採用
デザイン性だけではない。jigsawは、北海道地域で求められる断熱基準(UA値=0.46W/m2・K)を標準仕様にし、全国最高水準(C値=0.24)平均の気密性を実現。快適な室内環境にするための仕掛けはさまざまあるが、まず驚くのは浴室だ。脱衣所と浴室の間の壁は上部が開いており、浴室にはエアコンが設置されている。「エアコンは湿気や水分に強い機械なので大丈夫です。水蒸気が冷やされると湯気になり水滴になりますが、エアコンをつけて温度を下げないようにすると湯気にならずに水蒸気はそのまま出ていく。壁が塞がれていたら空気に水分を含みきれなくなり結露しますが、上部を開けていることで逃げていきます。天井が腐ったりしないのかと聞かれますが問題ありません」と岡村耕一社長は語る。ヒートショックを起こさないためにこのような設計をしているが、浴室が乾きやすいことでピンク汚れなどがつきにくく、施主からは掃除が楽になったという喜びの声が寄せられているという。
浴室にエアコンを設置し、空間の温度を下げない
脱衣所と浴室の間の壁は上部を開けて水蒸気を逃す

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