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リフォーム業界男性育休の実態は?育児・介護休業法が改正​

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リフォーム業界男性育休の実態は?育児・介護休業法が改正​

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真相究明 育児・介護休業法改正

配偶者の出産を控えた男性社員に、育休制度を伝えず、取得するかどうかを確かめないー。このような事態は、法律に違反してしまうことをご存知だろうか。2022年4月、育児・介護休業法が改正し、規模を問わず事業者にさまざまな措置が義務化された。法改正の内容と共に、リフォーム業界における男性育休の実態をリポートする。【リポート/編集部 後藤梓】

《目次》​

1) 規模を問わず「周知・確認」義務化

2) 男性4人が取得した買取再販会社も

3) 企業にメリットはあるか

4) 育児が当たり前の社風はあるか

1) 規模を問わず「周知・確認」義務化

男女別 育休取得率の変化
男女別 育休取得率の変化出典;令和2年度雇用均等基本調査

1. 育休取得率、男性は12%

日本では男女ともに子どもが1歳になるまでの1年間、育児休業を取る権利がある。期間の長さは、世界でもトップクラスといわれる。例え企業の就業規則に規定がなくても、法律で定められているため取得が可能だ。

だが厚生労働省が公表した令和2年度雇用均等基本調査によると、2020年の育休取得率は女性が81.6%、男性は12.6%だった。女性は2007年以降80%以上だ。男性は2020年に初の10%を超え増加傾向だが、男女の差は大きいままだ。

低い理由として挙げられるのは「会社で育児休業制度が整備されていなかったから」「収入を減らしたくなかったから」「職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったから」(出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「平成30年度仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」)。

少数先鋭で事業展開している会社が多いリフォーム業界では「戦力となる人材が何日も休むのは...」と本音も聞こえてくる。男性社員の育児休業の取得実績がない東日本にあるリフォーム会社の経営者はこう話す。「残業時間を削り休日出勤もなくす、女性社員が出産や育児と両立しながらでも働けるようにするなどの働き方改革は進めています。ですが社員数が少ない会社でこれ以上はさすがに厳しい。毎日出勤する前提で採用していますし、もし長期で休む社員がいてそれでも経営が成り立つなら、その方を雇用し続ける意味があるのか、正直戸惑います」

また「実際に取得しても構わないと思っている。だが給付金だけでは生活が成り立たないのでは」という声も少なくない。

制度はあるが、特に詳細が周知されていない・取りづらい雇用風土が足かせに。法改正により、この事態からの脱却を求められている。

出産・育児を目的として休暇・休業を利用しなかった理由
出産・育児を目的として休暇・休業を利用しなかった理由

出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング

「仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」(平成30年度)

2. 取りづらい風土から脱却を

2022年4月の法改正で、規模を問わず全ての企業に義務化された措置が2つある。

①個別の制度周知・取得意向確認

以前は努力義務だったが、事業者は本人または配偶者の妊娠・出産を申し出た労働者に、育児休業制度の詳細を伝えなければいけない。具体的には、制度の内容と取得の申出先、給付と社会保険料の取り扱いについて。合わせて個別に取得の意向確認も課された。その際「前例がないことを強調する」など控えさせるような話し方は禁止されている。

②雇用環境の整備

「育休をとりそうな従業員はいないから、この法改正に関係ないだろう」も通用しない。育児休業について、社内への周知が必要になった。研修の実施・相談体制の整備・自社の事例を集めて提供・育児休業取得促進に関する方針を設けるから、いずれかを選ぶ。関東地方の工務店経営者は「法改正を機に、就業規則に相談窓口を設けた旨を追記している」と話す。

「育休を取りたい社員が現れた際、既に上司が知っている方が相談しやすくなります。制度はあっても取りづらいようにならないためには、いかに周りが理解を示しているかが重要になる」と厚生労働省、雇用均等・児童家庭局の担当者は話す。

これらを怠った場合、行政による勧告、また勧告に従わない場合は企業名が公開される可能性がある。

改正 育児・介護休業法

2) 男性4人が取得した買取再販会社も

1. 企業ブランディングに

リフォーム業界でも、男性社員が育児休業を取得した実績を持つ会社はじわりと増え始めてきた。

長崎県のリフォーム売上ランキングで1位を獲得している中村工務店(長崎市)は、既に男性3人が取得し、現在2人が育休を控えている。

また従業員10人程の会社の事例もある。性能向上住宅を強みに年商5億8000万円の旭ホームズ(広島県広島市)は、12年前に営業職の男性社員が県内初の育休を取り、その後施工管理職の男性社員も取得した。さらに「空き家買取専科」という屋号で空き家の買取とリノベーションを手掛ける買取再販会社Sweets Investment(静岡県静岡市)は、男性育休取得率100%だ。これまで対象となる男性社員4人が休業に入った。

各社、自治体の育児支援制度を活用している。旭ホームズは「広島県仕事と家庭の両立支援企業登録制度」を活用。制度により異なるが助成金が 支給されるほか、登録企業の実績がさまざまな媒体により公開される。「育児と仕事が両立でき、働き方改革が進んでいる企業」とブランディング効果を生む。

短くても「取らないよりいい」
「想像以上に忙しい」

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