深刻な職人不足が業界の課題となっている。こうした事態を少しでも緩和しようと、自社で雇用し、育成に乗り出している。そのために待遇を改善したり、育成施設を開設するといった動きが業界全体で加速している。大工、とび職、電気通信設備工事従事者、左官、配管従事者といった住宅の建設にかかわる職種群をまとめて野村総合研究所(東京都千代田区)が定義した「住宅建設技能者」の人数は、2040年時点で約51万人で2020年の約82万人から約31万人減少する見通しだ。
20年で約31万人減少
帝国データバンク(東京都港区)によれば、2023年8月までの建設業の倒産が前年比で4割増となり、その要因のひとつが「職人不足」だった。同社の調査では、建設業の約7割で「人手が不足している」状態で、うち5%の企業では「非常に不足している」状況にあり、コロナ前(19年)を上回るなど、物価高以上に職人不足の影響が建設現場で深刻化している。
社員大工は13人少
リフォーム業で年商6億3000万円の多賀工務店(大阪府豊中市)は、専門学校卒の社員大工の新卒採用に力をいれている。
2021年から3年間で5人採用。社員大工は全部で13人だ。
学生との接点は主に求人会社を通して行っている。採用の流れは面談にて会社説明を行い、職人志望なのか、営業志望なのかを確認する。その後面接を数回、内定を出してから職場体験を行っている。

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