空き家が次々に売れていくウェブサイトがある。サイト名は「家いちば」(運営会社・家いちば・東京都渋谷区)。空き家の持ち主自身がサイト上で物件をPRし、直接買い主を探すことができるユニークなサービスだ。自分の物件の価値を自ら伝えるという仕組みが受け、注目を集めている。現在、年間300件を超えるペースで不動産が取引される。藤木哲也社長は「売主と買主の主体性を引き出せば、空き家は売れていく」と話す。
空き家売買、サイトで仲介
成約900件、売主自らPR
家いちばでは、空き家を中心とした中古住宅を売りたい人と買いたい人をマッチング。売主自らが写真を用意し、宣伝文を執筆するセルフ方式
内見も自分で
「家いちば」は、空き家を中心とした不動産を売りたい人と、買いたい人を結びつけるマッチングサイト。2015年の開始以来、ユーザー登録者数は約4万人を超え、月間PVは600万超の人気サイトだ。大手不動産サイトでは目にしない、全国各地の個性的な空き家を大量に掲載している点が人気を集める。これまで累計で約4000件を掲載し、サイト上で売買された総成約件数は約900件にも上り、空き家問題の解消につながっている。
大きな特長は2つ。1つは、売りに出す物件の価格設定、紹介記事の執筆、写真撮影、内見対応など、すべて売主自らが行うこと。2つめは、買主と売主が直接交渉することだ。
例えば、今アクセスを集めているのが埼玉県のとある空き家情報。築50年以上の木造2階建てで「99万円」という破格の安さも目をひくが、「父が他界し使う予定がありません」「住民はお年寄りが多いですが良い人ばかりです」「建物内は出来る限り片付ける予定ですが、残った古い家具の廃棄は必要になります」などの売主しか知り得ない生々しい紹介文が印象的だ。現在、100件以上の問い合わせがあるという。

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