2025年、リフォーム市場はどう変貌を遂げるのか。本紙では住宅産業の大きな課題を低い断熱性、地震対策、空き家の増加とし、それらを解決するビジネスが今後増えていくと予測した。
命を守る断熱・耐震の推進を
空き家流通、鍵はリフォーム技術
※1 出所 国土交通省 ※2 出所 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合。1950(昭和25)年~2000(平成12)年5月まで に着工された木造在来工法2階建て以下の住宅診断。掲載データは1981年から2000年までに建築された住宅の診断結果。※3出典 総務省「住宅・土地統計調査」
性能低い既存住宅
1つ目のトレンドは断熱改修。背景にあるのは住宅ストックの低すぎる断熱性能だ。国土交通省の推計によれば無断熱レベルの等級1の住宅が29%、約40年も前の省エネ基準である等級2が36%。合計すると65%もあり、GDP世界4位の先進国とは思えないほど貧しい性能の家ばかり。
例えば、冬季の断熱等級1〜2の家では暖房機器周りのみが暖かいだけで、部屋ごとの温度差が極端。その結果、ヒートショックを誘発。高齢者の浴室内の不慮の死亡者数は交通事故の2倍もあり、高齢社会の日本では緊喫の課題。断熱研究の第一人者である慶應義塾大学の伊香賀俊治名誉教授は、改修が進めばこのようなヒートショックを防ぎ、健康寿命を伸ばす可能性を秘めていると語る。
新築では今年4月に断熱等級4以上の省エネ基準が義務化されることもあり、リフォーム業界でも「性能向上」に意欲的な事業者は増加していくと見られる。

最新記事
この記事を読んだ方へのおすすめ
-
1635号(2025/02/03発行)4面
-
1635号(2025/02/03発行)12面
-
1635号(2025/02/03発行)13面
-
WEB限定記事(2025/02/10更新)
-
1635号(2025/02/03発行)2面