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- > 早稲田大学建築学科、廃校が「道の駅」に変身
年間20万人が来場する人気スポットに
地域活性化の手法の1つとして定着しつつある空き家・空きビルの活用。全国的なトレンドになりつつあるものの、一時的であったり、部分的な活性化にとどまっている事例は多い。そんな中、地域住民や学生を巻き込むことで、継続的な活用につなげているのが、早稲田大学の古谷誠章教授だ。今回は、廃校を人気の「道の駅」へと生まれ変わらせた保田小学校の事例を紹介する。
校舎の1階には飲食店が軒を連ね、その上には320平米のリビングスペース「まちの縁側」が設けられている
2013年10月、千葉県安房郡鋸南町は、2014年3月末に廃校が決まっていた保田小学校を活用すべく、再生計画の公募を行っていた。古谷教授は、法政大学渡辺真理研究室、横浜国立大学北山恒研究室、日本女子大学篠原聡子研究室、工学院大学木下庸子研究室と合同でNASCA設計共同体を設立。再生計画のコンペに参加し、事業者として選定を受けた。
再生計画の一番のポイントは、広さ約800平米の体育館の活用方法。当初、鋸南町としては、老朽化によって耐震改修が必要となっていた体育館には手を加えず、災害時の緊急避難場所としての利用を想定していた。だが、NASCA設計共同体は、道路から最も目立つ場所に位置している体育館を産地直送品の市場として利用する案を作成。屋根面を耐震補強するとともに、上部外壁面にポリカーボネート複層板を用いることで、明るく開放感があるスペースが出来上がった。現在は、「里山市場 きょなん楽市」として、数多くの店が地元の産品を販売する人気スポットとなっている。
放置される予定だった体育館は産地直送品市場「里山市 きょなん楽市」として生まれ変わった

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