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【中古住宅NEXT】
日本よりも圧倒的に中古住宅が流通している欧米では「ホームステージング」が根付いている。ホームステージングとは、中古住宅を売りに出す際、家具や小物でコーディネートすることで物件の魅力を高める手法。国内でもその方法を取り入れる不動産会社が増えてきており、中古流通には「ホームステージング」が欠かせないという時代はそう遠くない。
風水に感心のあるオーナーのため、既存の家は、色やテイストがバラバラ。これではなかなか一般の人が興味関心を示しにくいということで「ホームステージング」。既存の家具のレイアウトを変えたり、ものを片付けたり、ファブリックや小物でコーディネート
月平均120件の受注
「ホームステージングの受注数は昨年の約2倍に増えています」。こう話すのはホームステージング・ジャパン(東京都品川区)の加藤望美氏。同社は主に不動産仲介会社からの依頼を受けて、売却を希望するオーナーの中古住宅を家具やインテリアでコーディネートする「ホームステージング」を主事業とする会社だ。
月間の受注案件数は平均120件(2017年4~9月間)で、この数は前の期間と比べると約2倍だ。法人を軸としたクライアント数は108で、昨年から18倍に急増。大量の依頼に対応するために「ホームステージャー」の採用・育成の真っただ中。社員は前期比2.7倍の52人まで拡大している。
ホームステージングはなかなか売れにくい物件を売れるようにしたり、あるいはより高く、より早く売りたいという悩みを解決するサービスだ。実際にその効果がよく出ていると加藤氏は話す。
例えば、昨年7月に手掛けた中古マンションはホームステージングした後、すぐに2日後に内見が決定。そのまま成約となった。写真(1)の物件がそれだ。このマンションは同じ建物内に3物件が売り出されている状況で、その中でも最も高い価格で売りに出していた。比較されやすいため、何もしなければ高値かつ早期に売るのは難しい物件だったが、「演出」がそれを解決した。
中古マンションを売却したい不動産会社からのホームステージング依頼。
何もないがらんとした空間と比べると、全く印象が違う
生活感を無くせ
「売れる」中古物件にするためにどんな演出をしたのか。加藤氏は重要なポイントの一つとして「個人の趣味が色濃く出ているものや、生活感をなくすべき」と主張する。「例えば、このお客様は風水にはまっており、真っ赤なテレビボードを使っていました。このお客様に取っては良いかもしれませんが、買いに来る方にとってはとても個人の趣味が出過ぎていてなかなか気に入ってくれる方は少ない。そこで、ソファにオレンジや緑のやや派手なクッションを置くことで、この赤ばかりに目がいかないようにしました」

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