有料会員登録で全ての記事がお読みいただけます

デッドストック工務店、ゴミで本気の空間づくり

デッドストック工務店、ゴミで本気の空間づくり

このエントリーをはてなブックマークに追加

ものづくりの流儀
デッドストック工務店

建築を楽しむ力呼び戻すプロの遊び

 産業廃棄物を使って空間をつくるユニットがある。その名も「デッドストック工務店」。構成するメンバーは工務店や職人、アーティストやデザイナーたち。おもしろい話があると声をかけ合い、本業の合間を縫って全国から集まる。発起人である一杉伊織氏が「プロの草野球」と称する同ユニットの取り組みを紹介する。

デッドストック工務店 廃材を売る「クラフトワークセンター」をつくった廃材を売る「クラフトワークセンター」をつくった。デッドストックのDを掲げた

職人に施工要領書はいらない

 一杉伊織氏はTOOLBOX(東京都渋谷区)の執行役員。同社は内装建材や住宅設備などを販売するオンラインストアを運営している。運営する中で、素材をどう使ったらいいのか、どう施工したらいいのか分からないという声をプロから聞くことがあった。「本来、職人は施工要領書がなくても与えられた環境と素材で調理するもの。もうちょっと自分で考えようよと思うこともあった」と語る。そんな思いをおもしろおかしく見せることはできないかと考えていた中、リノベーションスクールの講師を務める機会があった。そこには地方で大工をしている人もいて、「自分で素材を調理できるような人たちと一緒に何かできたらおもしろいと思い、一回集まってみることにした」という。

 そうしてメンバーが東京や鹿児島、鳥取から車にゴミを積んで集まったのは、福井県。建大工房の出水建大氏の「自分が集めてきた廃材を売るホームセンターを作りたい」という話があったからだ。一斗缶をなめしてカウンターを作ったり、潰れたCD屋の看板に使われていたDの文字を壁に掲げた。

デッドストック工務店のメンバー。全体では20人ほどいる

一斗缶をなめしてつくったカウンター

すると今度は鹿児島県の新屋建築が金物屋を始めるという話があり、集結した。 持ち寄った金物にエポキシ樹脂を流してカウンターを作るなど、各々の創意工夫を光らせながら空間をつくりあげた。 完成したGOOD LIFE MAKER8は、1階に人気の料理人が日替わりで登場するカフェとリノベーションやDIYのためのパーツショップ、2階にはショールームがあり、毎日行列ができる人気店になっている。

金物を並べ、エポキシ樹脂を流してつくったカウンター

さまざまなパーツをはめたオーディオ。異素材同士がハマった瞬間が盛り上がるという

有料会員登録で記事全文がお読みいただけます

毎日ニュース配信中!リーフォーム産業新聞公式LINE

リフォーム産業新聞社の関連サイト

閉じる