オーナー改修費用ゼロの新提案 木賃デベロップメント

　スタジオＡ建築設計事務所（東京都目黒区）など３社からなるグループ「木賃デベロップメント」は老朽木造賃貸の再生プロジェクトを本格化している。先月には、東京都練馬区にある築36年の木造賃貸住宅「サクラアパートメント」のリノベーション工事を完工した。

　今回は６部屋分を再生。室内の特徴は、床に無垢材を施工し、壁は白の塗装仕上げ。柱や梁は磨き、木の味わいが感じられる部屋に。最大で天井高が3.6ｍにもなる部屋もあり、広々とした空間となった。改修費用は約９００万円。

　オーナーのリノベーションにかかる初期投資はゼロ。同グループがリノベーション費用を負担し、対象となる賃貸を借り上げ、得られる賃料から再生にかかる費用を回収するスキームとなる。

　「木造賃貸は好立地の物件が多くあります。しかし、投資回収が終わったため、あえて費用をかけてリフォームせず空室のまま放置されていて活用されていないケースが目立ちます。この誰からも投資されずにほったらかしになっていることがもったいないなと思い、オーナーの初期投資がかからないリノベーションプロジェクトを立ち上げました」（スタジオＡ建築設計事務所、内山章社長）