クラスコ 小村典弘社長
賃貸仲介や管理ビジネスのほか、全国展開の賃貸アパートリノベーションブランド「リノッタ」のFC事業など、事業の多角化を進めているクラスコ(石川県金沢市)。8月には買取再販の新ブランド「カウリノ」もスタートした。小村典弘社長に、新ブランドの特徴と今後の展望について聞いた。
付加価値を物件に
――新ブランド「カウリノ」がスタートしました。これはどういった事業なのでしょうか。
中古住宅の購入から設備も含めてフルリノベーションして販売する買取再販を中心とした事業です。新築に比べて中古住宅の流通が少ない理由は、古いものをそのままの状態で販売するからだと思います。しかし、新築の半分くらいの価格で、新築以上に価値のある住宅に住めるとなれば、お客様も注目するはず。そうした付加価値がついた物件で、中古の流通を広げられれば、と考えました。
――とはいえ、買取再販事業は参入者も多いですよね。その中で、どのように差別化をしていかれる予定ですか。
金沢市では、簡単なリフォームをして再販している会社はあっても、フルリノベーションをして再販している会社はほとんどないと思います。なぜなら、中古住宅をフルリノベーションして新築以上に価値のある住まいにするには、デザイン力が必要になるからです。当社には、クラスコデザインスタジオというデザインチームがあり、賃貸リノベーションブランド「リノッタ」でも約300のデザインパターンを用意するなど、リノベーションにおけるデザインのノウハウがあります。このデザイン力が、カウリノの強みの一つです。
――デザイン力で中古住宅に付加価値をつけるのですね。価格は新築に比べてどれくらい変わるのでしょう。
現在までにマンションを2戸販売しましたが、80平米、築21~22年の物件で、売値が2130万円、50平米、築39年の物件で売値が1270万円です利益率はどちらも約25%。前者の80平米のマンションなら、新築価格が4000万~5000万円ほどなので、半額くらいにはなります。戸建てでは、昨年の春にテストとして販売したものが、82 平米、築22年で売値が1530万円、利益率は26%ほど。この地域は建売で2400万~2500万円くらいが相場なので、1000万円ほど安い計算です。

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