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カチタス、月3万6000円のローン費で「持ち家」が買える

カチタス
新井健資社長
1247号 (2017/01/03発行) 21面
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カチタス 新井健資社長カチタス 新井健資社長

 中古住宅を買い取って、リフォームした後に売る「買取再販」事業。年間販売戸数で全国トップのカチタス(群馬県桐生市)はグループのリプライス(愛知県名古屋市)とともに、さらなる拡大を目指す。

リプライスと連携

――2016年3月に名古屋の買取再販企業のリプライスと経営統合しましたが、両者を合わせるとこのマーケットでダントツのナンバーワンになりそうです。

 カチタスでは前期の販売戸数が3034戸。ここ数年は、2400戸、3096戸、3001戸といった感じできました。今期は前期比10%を超えるペースで成長しています。社長に就任してからは競売物件を減らして、一般市場からの買取を増やすように転換してきており、それが今につながっています。

 また、リプライスの前期の販売実績は724戸で、カチタスと合わせると3700戸程度となっており、今期は4000戸台を狙うことのできる水準と考えています。

――売上規模は。

 2016年3月期の実績でカチタスが約400億円、リプライスは10カ月決算でしたが、12カ月換算で約100億円。今期については、順調に売り上げを伸ばしており、前期比10%を超える成長を見込んでいます。

――各社の違いは。

 カチタスは地方の築年数が古い戸建てが多いです。築34年くらいが平均ですね。それを土地建物込みで1300万円くらいで売っています。リプライスは都市部に近いエリアで、築浅の物件が多いんです。平成年代の家が9割近く。住宅タイプも戸建てだけじゃなく、マンションもあり、半々くらいです。都市部寄りはマンションが多いですからね。価格は平均1700万円 です。

カチタス1

弱みを補う

――カチタスではどのようなエリアが弱いのでしょうか。

 東名阪の3大都市圏、札幌、福岡などの大都市部ですね。築年数が浅いのは苦手で。というのは築が浅いと値付けが難しい。この仕事は相場観が大事なのですが、つまり「どれくらいで買って、どれくらいで売ればいいのか」が分かることが大事。リプライスには分析課というものがあり、地域ごとの自社・他社の取引実績から作成した独自のデータベースを用いて値付けができる。

 そこがシャープにできるのがリプライス。特に都市部は競合も多いので分析が重要。

――リプライスにはどんなメリットがあるのでしょう。

 物件を仕入れるために資金と相談しながら、ある意味うまくブレーキをかけながらやってきましたが、カチタスと一緒になったことで、資金に余裕がでました。

 リプライスは競売仕入れが半分くらいあるのですが、その数を維持しつつ、一般の買取仕入れを増やしていけます。また、両社で設備や建材の仕入れを共同化しましたのでボリュームディスカウントが効きます。

――しかしなぜそれだけの数が売れるのでしょうか。何が、消費者にとっての魅力なのでしょう。

 やはり新築よりも安いということです。これが一番の魅力、大きな価値です。すぐ住める家が割安に手に入るということが圧倒的に重要なんです。そして、同じくらい重要なのが「きれい」だということ。やはり安くたって汚い家には住みたくないわけです。清潔で快適で実用的な家が安く手に入ることが大事です。

「こんなに奇麗」

――どのような方が買われるのでしょう。

 世帯収入で平均300万~400万円くらいが多い。6割くらいの方が住宅ローンを組まれるのですが、たいていは30~35年のローン。

 もし仮に1298万円を金利1%、35年元利均等で借りた場合、月々の返済が3万6641円。「自分でも家が買えるんだ」と喜ばれる方が大半ですね。

――ただ、「中古は嫌だ」という人もいるのでは。

 私どもがやっているリフォーム済み中古住宅を見られた方は「中古なのにこんな奇麗な家があるんだ」と驚かれます。まだまだこういう再販物件は知られていないんですが、中古に対する抵抗はなくなってきているのではないでしょうか。新卒向けの説明会では、私どもの家は「第4の選択肢」と伝えています。

 例えば賃貸は嫌、でも新築は高い、だから安い中古を見てみると住みたくない。それなら4つ目の選択肢の「リフォーム済み中古住宅」というものがあります、ということです。奇麗で手頃で、すぐに住める。つまり今はもう、新築か中古という話ではなく、中古なのに快適で、住みたいという家があるんですよと。

――景気の先行きが不透明なので手頃な家が欲しいというニーズは高まりそうです。

 無理して生活を切り詰めて新築を買っても「暮らし」自体は良くなりません。例えば居住費を毎月1~2万円浮かして、その分を何か暮らしを良くするために使ってみる方がいい暮らしになったりもします。また、この事業はよい暮らしを提供するだけではなくて、今問題になっている空き家の解決にもつながります。

 相続したけど誰も住んでいない、というような地方の家が多く、築年数も30~40年経過しているものがほとんどです。

カチタス3

拡大のための戦略は

――そのような物件が本当に売れるのでしょうか。

 私どもは人口5万~10万人規模の地方都市中心ですが、そもそも分譲の新築の供給がないところが多い。パワービルダーがあまりいないエリアもある。だから「このエリアだと安い建売がここ1~2年ないよね」といった土地勘が各店舗のスタッフにはあり、奇麗にした中古住宅がでると「買いたい」という人はけっこういます。

――拡大のための方針は。

 人を採用して育成することです。一つ一つの現場によって条件が違うので、リフォームの企画力、施工力、クレーム対応力などが必要です。カチタスでは累計4万戸以上やってきてはいますが、多種多様なリスクがありました。それらを共有することが大事です。


会社概要
設立 * 昭和53年 / 資本金 * 37億7,887万1000円(平成28年3月31日現在) / 従業員数 * 580人(平成28年4月1日現在) / 本社 * 群馬県桐生市

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