【ミヤケン × 和久環組 対談】 夢を語れば大卒の塗装職人も来る
ミヤケン 宮嶋祐介社長 × 和久環組 鎌田友和社長
塗装業界とリノベ業界の若きリーダーが語り合った―――ミヤケン(群馬県前橋市)と和久環組(神奈川県横浜市)が対談した本企画。後編は両社の人材採用を中心に議論をした。
話題 (1) 塗装で大卒採用
鎌田 宮嶋さんはいかがですか。業界に入られての苦労ですけど。
宮嶋 やっぱり人が集まらない業界じゃないですかね。まあリフォームだけじゃなく、塗装業界もですけど。結局、塗装職人になりたいっていう人、そうそういないですよ。生まれて育って学生になって、俺ペンキ屋になるんだって言う子100%居ない。そういう子たちにこう魅力を与えてというかPRしながら入ってもらうって結構苦労してて。
ですからウチなんかの業界で新卒採用なんて絶対ありえないと思ってた。あり得ないんじゃなくて誰も試みていない、チャレンジしていない業界。変な話高校生が入るっていう発想も無い。
その点、ウチなんかも4年前から大卒の新卒採用というのを始めたのは、業界でまずないんじゃないですかね。
鎌田 塗装屋さんの大卒採用ってなかなか聞かないですよね。
宮嶋 これもたまたまなんですけれども今度新卒採用しようと思った、ただその時にポロッと職人っていうのも打ち出してみたらそれに人がいっぱい集まったんです。だからもう大卒の塗装職人さんは今何人もいるんですよ。
ただ逆に言うと元々あった概念をパーンと外してしまえば、意外に塗装屋さんだから来ないというよりは会社の魅力とか楽しそうな雰囲気、良さそうな未来の見えそうな部分が出れば、業種・業態は人気のある職種じゃないですけど、まあ全然行けるんじゃないかなと。
当時それが全くね、頭になかったので、人がとかく集まらないっていうのが、伸ばしようにも伸ばせない、募集かけても来ない、人伝いに言ってもならない、バーンと中途やったら60何歳の人が来てすぐ辞めるとか。人の部分で一番大変だったんじゃないですかね。
鎌田 どうして大卒採用で職人という打ち出し方をして、そんなに大きな反響が出たんですかね。
宮嶋 たまたま合同説明会で、「これから夢持って行くぞ」なんて熱い話をしていたら結構学生が集まって来て。募集は営業のポジションだったんですけど、ジャンルで職人って給料安いんですかねって聞かれたんです。そこで、「君たち大学まで行って職人やるの」って思ったんですけど。
そのまま採用に行って、そうしたら初年度で6人ぐらい塗装の職人の大学生が入って来て、「これイケる」って思いました。そこからすぐに新卒のサイトを立ち上げて職人と営業の両方分けていったら結構安定的に入って来て。
意外に大学生来ないと思っているのはこっち側だけで、固定概念とか常識は外した方がいいなっていうのは、改めて思ったんです。
スタッフの女性率が上昇
鎌田 不動産業界も結構新卒が集まりにくいんです。そもそも一般的なイメージがあまりよくないので、親に反対されるとかありますし。
あと僕らでいうと新卒は新卒でやってるんですけど、今力を入れているのは女性の採用。でも、不動産、特に仲介業で女性が長く活躍している会社ってほぼ無いし、僕の前職の会社で営業が100人ぐらいいたんですけど、その中で女性一人もいなかったんですよね。
自分も女性が営業するっていう感覚が全然なかった。とにかく気合と根性で、泥臭い男子たちみたいな、そういうやつじゃないとなかなか勤まらないみたいな勝手なイメージがありましたけど。実際今、うちの社員の4割が女性で、営業も今半数ぐらいが女性なんですけれども。女性がすごく活躍しているんですよね。
女性は難しいと思っていたのは、勝手な自分の固定概念でしかなくて、女性はそんなことないし、意外と女性の方がガッツがあると思いますし。
宮嶋 今、女性の活躍ということなんですけれども、特に女性に自社で活躍してもらうために、何か仕組みを変えたとかはあるんですか。
鎌田 リノベーション提案前提で不動産を売るとなると、どちらかというとコトを売るというか、その人に寄り添った暮らし方の提案をするというとなると、女性の方が確かにすごくお客さんとしても安心感だし、一緒にお客さんに寄り添った暮らしの提案は女性がすごくたけてますよね。そこは消費者のみなさんにすごく受け入れられていると思います。
宮嶋 ウチもまだ女性職人さんはいないんですけど、女性の営業マンという面では全然まったく遜色なく、今半々ぐらいいますね。
今リフォーム部隊のチームは全部女性。ただやっぱりね、結婚出産っていうのは必ずキーワードで出て来るので、管理職としてどこまで女性を立ち位置で持ってくるって難しいところなんですけど、普通のリフォームの営業というサイドでいうと女性の方が。男性がキッチン売ってもあんまり納得、説得できないんで。
そういう意味で女性の方がいい。新卒なんて若くてまだキッチンどうのこうのないですけど、やっぱり感性は全然違うと思うんですね、寄り添い方という、お客さんに対しての。

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