ユニオンテック 大川祐介 社長
店舗、オフィス、住宅などの空間の設計デザインから施工までをワンストップで行うユニオンテック(東京都新宿区)が、"業界活性化"を事業としてスタートさせた。同社は、2000年に大川祐介社長が内装を業として立ち上げた会社で、今や年商27億円、都心の東京オペラシティタワー40階に本社を構える。大川社長に、「業界」視点で新事業を始めるきっかけや、今後のビジョンなどを聞いた。
『ブラックボックス』を開ける
――昨年5月に「建設業界で働く人」と「建設業を応援したい人」で構成されるチーム『TEAM SUSTINA(チームサスティナ)』を立ち上げました。その理由は。
今、建設業界って、外の方からはもちろん発注はできるんですけど、内部構造は知られていない。それというのも仕事中ってシートをかぶっていて、何人の人が関わって、どんな仕事をしているかって一般には分からない、ブラックボックスなんですよ。だから3Kイメージだけが先行する。まずはそのブラックボックスを外し、社会から「見える業界」にしたいんです。
――業界の可視化が重要だと。
箱をはずして自分たちが注目されるようになったら、変わると思います、と言いますか、変わらないといけない。若い人からは「就職は、建設も考えているんだよ」と言われる。街を歩いたら「職人さんって、プライド持って仕事していて、カッコいいね」と言われる。それが「建設業は盛り上がっている」状態だと僕は定義付けています。
建設業版『食べログ』を
――「TEAM SUSTINA」の具体的な中身は。
建設業界と社会をつなぐ『スーパープラットフォーム』を作りたいと思っています。まずは、建設業以外の人たちに業界を応援してくれるサポーターとなってもらう。企業や法人の方は、1つは単純に応援、2つ目は社会貢献、3つ目は建設業をマーケットに自分たちの製品・サービスを提供してもらうということです。今の建設業は福利厚生や経営サポート体制などが整っていないので、サポーター企業には、特典や割引等を加えてご提供をいただく、その代わり、こちらは売上に貢献しますので、ビジネスの相関関係が出来るわけです。建設業界の「ベネフィット・ステーション」(※1)のようなものですね。
※1 ベネフィット・ワンが運営する官公庁や企業向けの国内最大級の福利厚生サービス。
個人サポーターは、学生、主婦、一般の社会人のみなさんです。その方は、もしかしたら将来、お客様になったり、就職してこちら側になるかもしれない人でもあります。メンバーとなる人は、職人さん、設計会社、元請け、生コン屋さんから人材派遣、商社、問屋、メーカーなど建設に関わる全ての人で、それを横方向につないでいく。そのプラット
フォームに集まったすべての方がお互いを利用し合えるようにします。メンバーの会費は、個人事業主は月5800円、法人企業で9800円です。
現場の効率アップのためのツール『現場ナビ』画面
業界への強い危機意識
――2000年の創業から施工実績は5000件を超え、売上高も順調に伸びています。なぜ、今、新事業なのでしょう。
もちろん、今ある事業をしっかり継続させていきます。しかし、そこに新たに"建設業を盛り上げるプロジェクト"を加えることで、よいシナジーが生まれるとともに、「建設業界にユニオンテックがあってよかった」と言われるようになりたいと考えました。

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