サンプロ 青柳弘昭 社長
時代の変化に対応する強さを共有
人口20万商圏の地方都市で、リフォーム、注文住宅、不動産を展開し、売上高30億円に迫るサンプロ(長野県塩尻市)。そのサンプロが、1996年の創業以降増収を続けてきた独自の経営ノウハウを地方ビルダーに共有するネットワーク「LOCAS(ロカス)」を立ち上げた。青柳弘昭社長に、設立の目的や具体的な内容について聞いた。
組織力とブランド力を
――LOCAS立上げのきっかけとは。
私自身もリフォーム屋出身ですが、元々、新築、不動産を絡めた事業をしていこうという構想はありました。リフォームもこれまでは、広く浅く受注していれば地方でもなんとかやっていけましたが、今ではホームセンターやITなど、ほかの業界が続々と参入し、ユーザーの選択肢も広がっています。
時代や市場が変化していく中で、単一事業だけでは伸び悩むのは目に見えています。とはいえ、そこで新築を始めたからといって、組織力やブランド力がなければ、地場のパワービルダーには勝てません。そうした課題やネガティブなトレンドに対し、一緒に知恵を出し合い成長していく場が欲しいなと思いLOCASを立ち上げました。
――創業当時から事業の多角化を目指していたのですね。なぜ、単一事業だけでは厳しいと気づかれたのでしょうか。
元々、人口が増加していった時代に成功した同業界の先輩たちのロールモデルは通用しないと思っていたからです。時代が変わった今、リフォームだけを水平展開するよりも、新築や不動産というアイテムを投入した方が、シナジー効果が生まれる可能性は高い。また、リフォーム=修繕というイメージから、お客さんもリフォーム屋を下に見ている雰囲気があったので、会社の対外的なイメージを上げるためにも新築住宅は必要だと感じていました。
――しかし、地方での新築は、地場のパワービルダーが強い。高額帯を狙うとハウスメーカーと競合する可能性があります。
だから、大手のハウスメーカーさんとは違う方向性でブランディングを考えました。新築事業として成功し、なおかつリフォーム会社の社格を引き上げるためには、ブランド力が必要です。そこで、こだわりの家を作る「設計士と作る自然派デザイン住宅」というブランドを立ち上げました。これが今では15億円の売り上げを突破。会社のイメージ向上というシナジー効果も生まれ、リフォームの平均受注単価も300万円ほどまで上がり、リフォーム売上高は前期で10億円を達成しました。
――リフォームから新築に挑戦しても、うまくいかない事業者も多いですよね。

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