アートのある暮らし協会 枝澤佳世 代表理事
アートを暮らしに取り入れる提案をする「アートライフスタイリスト」を育成する、一般社団法人アートのある暮らし協会(東京都中央区)。住空間を新しい切り口で提案するプロ養成機関として、いま注目を浴びている。代表理事の枝澤佳世氏に活動内容を聞いた。
専門人材を育成
――アートのある暮らし協会の活動について教えてください。
アートを身近なものとして生活に取り入れる「アートライフ」の普及を目指して、イベントや講座などを開催しています。講座では、アートのある暮らしを提案できる人材「アートライフスタイリスト」の育成を行っています。
――アートライフスタイリストとはどういうものですか。
インテリア関係者は、アートをインテリアの一つとして捉えますが、私はアートは「価値」だと考えています。仮に、このペンが1000万円もするアート作品だとします。それでも欲しいと言う人がいる。ペンではなく「コンセプト」に価値を見いだしているのです。アートを取り入れることは、暮らしに価値を与えることだと伝えるのが、アートライフスタイリストの仕事です。
――暮らしに価値を与えるというのは、どういうことでしょうか。
お客様を招いたときに、家の中にアートがあると、誰の作品なのか、なぜこれを選んだのかなど、会話のきっかけが生まれます。また、アートを飾ることはその空間にいる人への最高のおもてなしです。これは世界共通のマナーと言えます。
――講座では具体的にどんなことを学ぶのでしょう。
大きな特徴は、アートの知識を学ぶだけでなく、実際にアートを購入するという体験をしてもらうところ。これによって、アートの探し方、選び方、買い方、飾り方、鑑賞の仕方、活用方法などが身に付きます。
私自身、はじめてアートを購入したときは大変でした。どこで買えばいいのか、どう選べばいいのか。はじめは数千円のポスターと数十万円の原画の違いも分からない。そうやって悩みながら、ようやく手に入れたとき、はじめてアートを身近に感じられるようになるのです。
アートを生活に取り入れることを推進
仕事の幅を広げる機会に
――受講生の大半がインテリア業界の人と聞いています。

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