リフォーマー専門学校 大澤仁志 代表理事
宿舎も完備、月10人育成体制へ
トイレや風呂といった水まわり工事を一人で行う多能工育成学校「一般社団法人リフォーマー専門学校」(広島県呉市)。開校からおよそ1年、順調に卒業生を増やしている。大澤仁志代表理事に、これまでの実績や今後の方針について聞いた。
最短1カ月で育成
――改めて、リフォーマー専門学校の概要を教えてください。
水まわり専門の設備工事を、一貫して一人でこなせる多能工職人を養成する学校です。カリキュラムは初級・中級・上級の3コース。初級は全くの素人、中級は建築業界経験者、上級から始める方は現場監督経験者や何らかの建築職人が対象です。授業は平日のみで1日に7時間半。期間は各コース、約1カ月です。費用は全コース一律で50万円ですが、キャリア形成促進助成金を利用すれば最大で約45万円助成されます。実技中心の授業が特徴で、実際に模擬部屋でトイレ、キッチン、洗面、風呂など、水まわり4点の解体から仕上げまで体験してもらいます。
――開校しておよそ1年が経ちます。反響はどうでしょう。
今はコンスタントに、月3~4人の入学申し込みがあります。受講生は皆、目標としているスキルは習得して卒業していますね。この半年で、リピートしてくれる会社も出てきました。
粗利改善に効果的
――多能工を増やすことで具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。
粗利率が改善されるのが大きなメリットです。多能工がいれば、職人ごとに予定を合わせて工期を組む手間が省かれるので、工期が大幅に短縮されます。さらに、お客様とのやりとりミスや、それに伴うロスも減るので、おのずと利益率が上がります。具体的な粗利改善率は、自社に多能工がいる場合でおよそ15~20%。当社の実績で言うと、およそ1億2000万円の工事を2人のリフォーマーでまかなっています。水まわり工事がメインの会社なら、売上5000万~6000万円を1人の多能工で対応できる、ということになります。
――多能工の必要性を感じながらも、多くの会社は育成に踏み出しません。踏み止まる理由は何だと思いますか。

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