ベツダイ 林 哲平 取締役COO/CMO
地方で目指すのは新築もできる工務店
大分のビルダー、ベツダイが「中古住宅×リノベーション」事業ノウハウを提供するFC「RE住むパートナーズ」を開始し約4年が経過した。加盟店は業界トップクラスの174店舗に及ぶ。林哲平取締役COO/CMOに、事業を通じて見えた市場の現実とこれからを聞いた。
今のままじゃ伸びない市場
――4年事業を行ってきてリノベーション市場をどのように感じますか。
正直、今のままなら、リノベーション市場はこれ以上大きくは伸びないと思います。地方は、新しいものが良いとされる考えが根強い。だから、やはり新築が強いです。それに、そもそも新築と中古住宅×リノベーションで価格がさほど変わらない。大分県を例に出せば、5%程度の差です。お客さんからしたら、将来の輝かしいライフスタイルを想像した時に、価格に大差ないのであれば当然新築を選びます。
――価格と、お客さんのニーズがマッチングしないということですね。
結果として、新築を勧める割合の方が多くなってしまいます。地方でリノベーションだけを純粋に追いかけるのは、すごく難しい。ここで言う地方とは、坪単価なら50万円以下、人口なら50万~100万人くらいの都市。大分市は50万人都市なので、いいモデルです。
――「RE住むパートナーズ」は加盟者も新築を提案するところが多いですか。
今は、ビーチスタイルなどデザイン性の高さがウリの、カリフォルニア工務店EDITION×リノベーションのプランを、集客の一部として使っているところが多いです。その後、新築に振るかどうかはケースバイケース。市場自体は確かに厳しいけれども、リノベーションは集客のフックとしては強い。「うちはデザイン性に富んでいる」というアピールも、リノベーションをフラグにするとすごくやりやすいんです。これは、リノベーションの使い方として、地方の工務店さんには強く言いたいところですね。
ニーズを見るべき
――それでは、「RE住むパートナーズ」は、今後どんな展開を考えているのでしょうか。
リフォームも新築もすべて対応できる工務店を目指します。消費者をちゃんと見てニーズの動向を探れば、それがベスト。消費者が本当に必要なものを考えると、リノベーションって本来、立地の希少性と価格の特異性しかないんですよ。だから、新築がほしいと言っている人に無理やりリノベーションだけを勧めるのは絶対にタブーです。消費者だけを見ていたら、リノベーションだけ、新築だけという考えが正しくないことが理解できると思います。
――消費者を見れていない人が多いということですね。

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