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【平安建材インタビュー】京町家を高性能住宅に再生

平安建材
水嶋弘明 企画部部長
1395号 (2020/02/03発行) 15面
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平安建材 水嶋弘明 企画部部長平安建材 水嶋弘明 企画部部長

工務店、メーカーらとコラボで買取再販

 平安建材(京都府京都市)は、1947年創業の流通商社だ。「鉄とセメント以外」の住宅建材を扱う卸売業のほか、屋根外壁工事などの施工や地盤調査も行う。2009年、深刻化する京町家の空き家問題を受け、地域の工務店・設計事務所・住宅資材メーカーなどと「『京ぐらし』ネットワーク」を設立。町家を購入し、性能向上のためのリノベーションをして販売する買取再販事業を始める。2019年10月25日、窓・サッシメーカー大手のYKK AP社と共働で明治40年築※の木造住宅を最新の高気密高断熱・耐震性能の住宅に改修。「醍醐寺の家」として発表した平安建材の水嶋弘明企画部部長に聞いた。(※増築部は昭和40年築)

――流通の御社が、リノベーション事業に関わるきっかけは何だったのでしょう。

 ちょうど10年くらい前、京都は建築基準法改正と、住宅の外壁の色まで規制する景観条例の影響で、家が建てられないような状態になりました。卸しはものを売るのが仕事ですので、現場がなくなっては自分たちで仕事を作らなければならない。その時考えたのは、私たち流通は商品の知識はあっても家を建てたり、リフォーム工事をしたりすることはできない。また工務店は家はつくれても、法律や条例、ポイントなどについてあまりご存じでなかったりする。メーカーさんも、よい商品は作るけれどなかなか採用されない、とそれぞれ得意・不得意があります。そこでみんなでそれを補い合って、仕事をつくっていこうと思いました。

――京町家を再生する「『京ぐらし』ネットワーク」を立ち上げた理由は。

 当社のある京都市は、多くの方が訪れる観光都市で、その魅力の1つに京町家があります。しかし町家の住人の多くは単身か夫婦の高齢者で、リフォーム工事などにお金をかけられない。また、路地裏などにあって再建築不可だったりで、建て替えなどもできず、空き家化がどんどん進んでいます。そこで京都の良さを生かし、性能を向上するリノベーションのための「京ぐらし」プロジェクトを2009年くらいに資材メーカー20社、工務店18社、不動産会社3社、設計事務所3社と立ち上げ、2011年に組織化しました。

――町家の再生の難しさは。

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