タカショー 高岡伸夫 社長
ガーデンライフスタイルメーカーのタカショー(和歌山県海南市)が、コロナの影響が続く8月の発表で、第2四半期連結業績予想と通期連結業績予想を上方修正した。勢いにのり、10月にはリアルとネットを融合させた業界初のハイブリッド型展示会を開催予定だ。変化する生活者の需要に新しい提案を進める同社の高岡伸夫社長に話をきいた。
外構提案のハードルを下げるアプリも実演紹介
――8月の発表では、2021年1月の第2四半期連結、通期連結の業績利益予想を上方修正されました。中でも第2四半期は前回の発表予測に対して、営業利益、経常利益ともに2倍以上の数字です。好調の要因をお聞かせください。
第2四半期連結累計については、外出自粛によるライフスタイルの変化に伴い、家庭菜園やリビングガーデンのニーズが高まったことで、ホームユース部門の売り上げが大幅に伸びたことが主な要因です。一方の通期連結業績予想については「家時間をより豊かに」という新たな生活様式が消費者に定着しつつあることから、今後の安定したエクステリア需要を見込み上方修正いたしました。
――先行きの見えない巣ごもり生活の中で、庭をより快適にしたいという消費者が増えているのですね。
はい。緊急事態宣言明けの首都圏のショールームでは来場者が130%に増えましたし、リビングガーデン商品を扱うECサイト「青山ガーデン」でも、全体売上は300%増です。中でも顕著にニーズが表れたのがリビングガーデン用の家具で、こちらはずっと200%越えの売り上げをキープ。自然に近づくことが健康の基本と科学的にも証明されていますが、新型コロナの影響で外出がままならない状況が続いているので、昔の縁側のように、狭くても自然を感じられる場所を消費者が求め始めたのだと思います。実際に、お付き合いをしている工務店さんからも、庭の工事依頼が増えていると聞きます。
デザイナーとコラボし、需要を掘り起こす商品を開発
――外構ニーズを感じつつも、「提案・施工が難しい」と、足踏みしている工務店も少なくありません。
10月22日、23日に開催する展示会「タカショーガーデン&エクステリアフェア2020」は、まさにそうしたリフォーム会社さん、工務店さん向けの商品を用意しています。キーワードは「提案の簡素化」。具体的には3つのプロダクトを実演紹介する予定です。1つは、当社が販売する外構商品のパッケージを、各メーカーのCADに連動させる「CADパッケージ」。2つ目は「フォトタッチ」というアプリで、現場で撮影した画像に、パッケージ商品を合成できるツールです。3つ目は「ARアプリ」で、スマホを現場でかざすだけで、その画面上に商品パッケージが自動的に配置されるもの。位置は自由に動かせて、イメージを360度パノラマビューで見られます。どれもうまく使えば、提案からクロージングまでが可能なものばかり。リフォーム会社さん、工務店さんがもっと手軽に外構提案をできるようになれば、眠っていた需要の掘り起こしにつながると考えています。
ワークスペースなどに利用できる庭ハウス
――外構導入のハードルを下げるツールなのですね。提案する商品ラインアップはどのようなものがありますか。

最新記事
この記事を読んでいる方は、こんな記事を読んでいます。
- 1653号(2025/06/16発行)12面
- 1651号(2025/06/02発行)12面
- 1649号(2025/05/19発行)7面
- 1647号(2025/05/05発行)15面
- 1643号(2025/04/07発行)16面