log buildのメンバー
左から、中堀健一社長、國吉慶太氏、高橋秋博氏、天川大輔氏
一級建築士事務所ecomo(神奈川県藤沢市)の関連会社「log build」は、現場監督の移動時間を大幅に短縮できるロボットを開発した。その名は「Log Kun(ログくん)」。「現場監督が不足する未来が見えている今、テクノロジーによる効率化は不可欠になる」と話す中堀健一社長に、ログくんの可能性と今後の展望を聞いた。
遠隔操作で現場を管理
――遠隔で施工管理ができる現場監督ロボットが完成したと聞きました。どんなものでしょう。
高さ110cmほどで、3輪の自動走行式のロボットです。独自開発したアプリを介して遠隔操作ができ、360度カメラや、接続したタブレット越しに現場の状況確認や大工さんとの打ち合わせができます。Wi-Fi環境さえ整っていれば、どんなに離れた場所からでも操作が可能。LEDライト搭載で、段差も2.5cm程度までは問題なく乗り越えられるので、昼夜問わず建設現場を自由に動き回れます。各社の基幹システムとも連携しているので、タブレット越しの会話はもちろん、チャットでの会話、図面等の共有も可能です。
――ログくんを使うことで、現場監督は実際にどれくらいの時間を浮かせられそうですか?
使いこなせるようになれば、新築の場合で現場に行くのが週に1回で済むようになります。時間にすると、1日平均3.5時間くらいの効率化でしょうか。オペレーションが整えば、基本的には30%強の効率化に、最終フェーズでは50%以上の効率化につながる試算です。使いこなしてもらってこその商品なので、ノウハウ提供を含めたコンサルティング込みで、費用は導入に50万円、月額使用料が1台当たり5万円。とはいえ工務店、ビルダーさん主動でも、3カ月から半年くらい稼働させれば、誰でも使えるようになりますよ。職人さんも難しい操作が必要なくロボットの画面を確認するだけなので、すぐに慣れてもらえます。現在40社のビルダーが予約加盟済みで、10月には順次納品予定です。
現場管理ロボット「Log kun(ログくん)」
移動時間は無駄の代表格
――建築業務の効率化をテクノロジーで助けるわけですね。
高齢化に伴い、2030年には現場監督の人数が現在の半分になると言われていますし、新築受注件数が減っていくのも見えています。集客や売上が頭打ちなら、これからは効率化が大きなキーワードになるはず。私はもともと建築出身で、新築・リフォーム共に現場監督を長らく経験してきましたが、1日に4現場も回ると移動だけで時間を取られ、その他の仕事なんて全然できない現実がありました。その経験から、ビジネスにおける無駄の代表格を「移動時間」と定義付け、テクノロジーで解決する方法を探したのです。
――その答えが現場監督ロボットだった。

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