クラフトバンク 大川祐介 会長
深堀りデータから工事を最適マッチング
建設業のマッチングサイトを運営するユニオンテック(東京都新宿区)が10月1日に社名を変更。「クラフトバンク」として、11月2日からは請負工事も本格始動する。一次請けの立場で発注者、受注者双方に介在することでより深いデータを集め、案件×工事会社の最適なマッチングを叶えるのが狙い。大川祐介会長に、請負工事開始の真意と今後の展望を聞いた。
請負という新しい領域へ
――なぜ請負工事を開始されたのでしょう?
マッチングの最適化を叶えるのはデータベースに限ると思っています。そこで当社のマッチングサイトでは、長らく電話ベースで工事会社の施工品質を細かくヒアリングし、データを蓄積してきました。しかしヒアリングだけでは、正直その情報がどこまで正しいのかわからない。より深いデータベースを構築するには、自分たちが実際に請け、工事会社に発注するという介在が不可欠だと結論付けました。
――発注、受注する会社それぞれを深堀りし、より最適なマッチングを提供するのですね。
はい。今は、11月2日の正式リリースに向けて、マッチングサイトに登録済みの工事会社2万社を1社ずつ面談し、優良な工事会社を発掘しています。面談では、コミュニケーション・技術力を軸にさまざまな質問をし、昨年度の完工高や請負平均価格、主要取引先の売上規模、毎月の状況なども確認します。その上で、実際の工事終了後には発注者から評価ももらう。それを工事会社にフィードバックするということを繰り返し、実力に合わせた10段階(SSS~D)で工事会社をランク分けしています。一方で、請負う案件も同様の10ランクに選定。Aランクの案件はAランクの工事会社が受ける、という仕組みになります。一人親方も同じシステムで、腕を磨けばランクが上がっていきます。
工事は全国対応
――案件はどこから、どういったものを請けてくるのですか?
マッチングプラットフォーム上の案件には手を付けず、当社の営業が別で見つけてきています。今のところ月あたり300件ほどの引き合いがありますが、これも半年以内にはプラットフォーム化する予定です。工事内容は土木以外。住宅・店舗・工場・倉庫・商業施設などが中心で、10万円台~大型案件まで対応します。エリアは全国です。
――さまざまな工事を高品質で行える体制が整いつつあるのですね。

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