タカショー、ガーデン需要拡大第2Q売上...

タカショー　高岡伸夫 社長

リアル＆ネットで庭の価値訴求

コロナの影響が続く中、タカショー（和歌山県海南市）の業績が依然として好調だ。高まるガーデン需要を受け、前期は昨対6.5％増の184億8000万円を売り上げたが、今年5月発表の2022年1月期第2四半期（1-7月）決算でも前年同期比16.1％増の112億7000万円という売上高を記録。この10月には、昨年に続いてハイブリッド型展示会も開催予定だ。高岡伸夫社長に、好調の要因や展示会の概要を聞いた。

【聞き手／報道部長　福田善紀】

世界に広がる外構需要

――業績が変わらず好調です。

要因はやはりコロナです。長引く自粛生活で自然に触れられないストレスが、庭への需要を高めています。このニーズは国内に限らず世界でも広がりを見せていて、例えばアメリカなどでは庭付きの戸建て住宅が一気に増えており、これがウッドショックを招いた大きな要因とも言われています。

――コロナで庭の需要が喚起されたのですね。それを後押しするために、具体的にどのような取り組みをされていますか？

庭のある暮らしの価値をユーザーにより理解してもらえるように、リアルとネットを融合させる取り組みを変わらず進めています。これを推進するためには、業界のデジタル化を圧倒的なスピード感で進める必要があったので、この1年半はVRやARといったソフト分野の開発に注力してきました。

――庭のある暮らしをイメージできるプロダクトを用意することで、価値を伝わりやすくするのですね。

ただハードがある、というだけでは今のユーザー心理には響かないですからね。そういう意味では、庭をより快適に使いやすくするためのコンテンツソフトも増やしてきました。例えば、照明や潅水、スピーカーなど、庭のさまざまなアイテムをIoTでつなぐ「GEMS」の機能拡張などがそうです。潅水システムなどは気象情報と連動しているので、自動的に最適な水やりをしてくれます。ハード同様に、パッケージの概念でソフトの開発を進めています。

――パッケージプランのラインナップも幅広いですよね。

デザイナーとコラボした高級ラインから、ベーシックなタイプまでそろいます。ただ、価値として伝えたいのは、庭は広ければいいというものではないということ。京都の坪庭などを見ていると、1坪あれば自然を近くに感じられる空間は十分つくれるのだと痛感しました。ですから縁側のような、ひさし下にデッキと、ちょっとした家具があるといったパッケージも用意しています。

工務店の提案、施工をサポート

――坪庭のような空間からデジタルを駆使した空間まで提案できるとなると、幅広いニーズに対応できますね。

暮らしに合ったプロダクトを提案することで、需要はさらに喚起されるはずだと読んでいます。そうなると、ユーザーが駆け込むのは工務店さんになる。ですから工務店さん向けのサポート体制はかなり整えています。例えば施工のところでは、当社と協業する施工店ネットワークを構築。先のIoTサービス「GEMS」など専門性が必要な施工は、すべてうちでさせてもらいます。

――「提案」についてはどうでしょう。ここに外構導入のハードルを感じている工務店は少なくありません。

これはまさにデジタルがサポートできる部分で、当社が開発した外構提案アプリを使ってもらえれば。AR機能で、実際の現場に商品を試し置きして見せられるもので、CG合成機能も付いています。この8月にはスマートグラスと連携した新機能もリリースしましたが、とにかくシンプルな操作性にこだわってつくったので、アプリに苦手意識のある人でもかなり使いやすいはずです。VR対応の住宅パース制作から当社が担えますから、提案のハードルというのは想像以上になくなってきています。

10月7、8日で展示会開催

――そのアプリの新機能は、10月7日、8日に開催される「タカショーガーデン＆エクステリアフェア」で体験できるのでしょうか？

もちろんです。アプリの機能はすべて体験していただけます。今回は「ネクストガーデン＆エクステリア 家と庭の住まい方スタイル」をテーマに、サイバー空間とリアル空間の両方からあらゆるプロダクトに触れていただけます。パッケージ商品も、高価格帯のものからリーズナブルなものまで用意。足を運んでいただければ、工務店さんの外構導入のハードルが確実に下がるはずです。外構提案は、顧客との接点を持つ工務店さんこそが有利。その優位性をぜひ生かしてほしいですね。

10月7日、8日に開催する「タカショーガーデン＆エクステリアフェア」では新しい庭空間の楽しみ方を訴求