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StandardForce、販売店向け...

Standard Force、販売店向けシステム誕生

Standard Force
原田 岳 社長
1473号(2021/09/20発行)19面
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Standard Force 原田 岳 社長Standard Force 原田 岳 社長

見積もりから請求までミスなく対応

建材流通会社の富建(長崎県大村市)のグループ会社Standard Force(長崎県大村市)が、販売管理システム「Stance」を今年6月から本稼働した。工務店を中心とした管理システムが主流となっている建設業界において、構想から2年で建材・設備流通が管理できるシステムが誕生した。今回、同社の原田岳社長に「Stance」を開発した経緯について話を聞いた。

【聞き手/報道部長 福田善紀】

販売店が生産管理
できるしくみを構築

――「Stance」を開発しようと思ったきっかけは何ですか。

業界の構造を考えたときに、建設現場といわれる製造工場において、一気通貫の管理をする仕組みがないというのが問題かなと、違う業界から来た私は思ったのです。かねてから、業界では工務店を中心とした管理システムが主流となっていて、建材を取り扱う販売店が管理できるシステムがないことに問題を感じていました。リフォームを中心にしている工務店や新築棟数が50棟以下の工務店にとって、地域の販売店が重要な役割を果たしているのが現状です。業務をトータルに管理できるシステムが必要だと考えたことが開発のきっかけとなりました。

――確かに物流も含めて効率化が進めば、業界全体の構造が変わる可能性があると思います。具体的な「Stance」の中身を教えてください。

見積もりの作成から受発注の管理、請求処理などができるシステムです。システムを作る際に考えたのは、工務店ごとの仕様の聞き取りをデータで蓄積できないかということでした。工務店はだいたい標準仕様を持っていますから、それを先に登録しておけば、スピード化が図れます。例えば木工事だったら、どういうものをよく使うか、屋根工事は金属系を使うのかなど、標準仕様として登録しておけば、それをもとに聞き取りをして、違うところだけ変えていけばいいわけです。つまり、販売店の営業が見積もり用の仕様聞き取りをミスなく行うことができます。

聞き取った仕様は営業から私どもの社内の積算チームに渡すことになるのですが、将来的には、うちの社員じゃなく、家庭の主婦で優秀な人などに外注もできる。また、最終的に工務店向けシステムを作った際には、間に営業を挟まなくても工務店様が直接見積もり依頼することが可能かと思っています。

他のシステムにはない特徴

――見積もり、受発注のスピードアップが進みそうですね。他のシステムにはない特徴はありますか。

1つは、案件ごとに受注や見積もりを出したデータが1つの版に蓄積される仕組みになっていることです。営業担当が、自分の担当している案件について、現在何を受注しているのか見失うことがあります。受注したものは0版にたまるのですが、案件ごとに見積もりを作成した時点で自動生成される版にデータを蓄積しておけば、経緯が一目で分かります。

2つ目は、追加部材に関してです。例えばリフォームを手掛ける際、当初は柱5本で見積りを出したところ、実際に工事が始まったら、10本必要になることが分かったとします。追加で5本発注した場合、きちんともとの見積もりに反映されるようになっています。そうすることで、工務店は現状、どのような状態なのかがきちんと把握でき、原価が上がってきた場合、施主様に対して追加料金を請求することを検討することも可能になります。

工務店の財務改善を

――工務店にリアルタイムで追加費用の状況を伝えることが可能になるわけですね。財務体質改善の一歩になりそうです。

最終的には工務店様の財務を改善し、我々販売店のお客様である工務店様に末永く利益をあげ、存続していただきたい、そのような思想でシステム設計をしています。

他にも、入荷処理後から発送まで、商材をすべてデータ管理し、QRコードでも管理できるようにしました。まず担当者がスマホやiPadを持っていれば、その場で発注したものがきちんと入っているかどうか、確認ができます。

またQRコード管理にしたことで、梱包数が多いものも1つの商品であれば、1つのQRコードで管理できますし、複数の商品が入っている段ボールから商品を分類した後にQRコード管理することもできます。これにより工務店に向けた発送まで含めて紙データを一切なくすことができるようになりました。納品処理もデータ上にサインをしてもらえば大丈夫です。置き配処理にも対応できるように、写真で証拠を残せるようにしました。

さらに、今回のシステムはすべてのデータが連動しているので、着工日か上棟日を設定すると自動的にテンプレートで作った工程のスケジュールが入ります。これによって、発注、入荷、納品のタイミングのミスを防ぐことができます。

――使いこなした際は、かなり効率化が進みそうですね。

お客様からの電話連絡が減り、本数が半分以下になるんじゃないかと思います。今後、他社にもシステムを提供していきますが、普及していくと、不良在庫の融通ができるようになりますし、近隣の販売店に普及すると与信管理情報の共有も可能です。まずは、今期1社に提供し、来年度は4社ほどいれられたらと思っています。

Standard Force 案件ごとの状況把握ができることで、工務店の財務改善にも効果を発揮案件ごとの状況把握ができることで、工務店の財務改善にも効果を発揮

この記事の関連キーワード : QRコード Standard Force インタビュー 富建

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