中古マンション販売で年商250億円達成、レジデンシャル不動産が買取再販ビジネスを伸ばせる理由
レジデンシャル不動産(埼玉県さいたま市)は、中古マンションの買取再販事業を展開し、右肩上がりで売上高を伸ばしている。年間1200物件を販売し、前期は創業からわずか10期目で売上高250億円を達成した。増収率も46%と高い。後発にも関わらず業績を伸ばし続けられる理由は、他社が狙わないエリアの物件を大量に仕入れる戦略だ。内田廣輝社長は「今期は取扱件数1330戸、売上高330億円超を見込む」と語る。
【聞き手/編集長 金子裕介】
レジデンシャル不動産 内田廣輝 社長
埼玉県出身。1981年生まれ。アートコーポレーション、大京リアルド(現大京穴吹不動産)を経て、2012年に株式会社レジデンシャル不動産を創業。
人気エリアの物件、あえて狙いません
――買取再販ビジネスで売上を伸ばすには、何よりもまず物件の仕入れがカギを握ります。売れやすい良い立地の物件を多く仕入れることが近道ですが、競合も多いのでそう簡単にはいかないのが現状です。どうこの課題をクリアしていますか。
私どもの考え方は、例えば、埼玉なら「中心の大宮や浦和はやらなくていい、春日部とか郊外に行きなさい」ということです。例えば、仙台なら「中央の青葉区はやらなくていい。周りの区、周りの県を」と。
――人気エリアを回避し、競合との競争が少ないエリアで物件を買うと。
今(2月)レインズの「在庫数」(販売中の物件を在庫数として経営指標にしている)では、当社の埼玉県の物件が142件。それに対して2位の会社さんは20件くらいですから圧倒的に私どもが仕入れられています。仙台も66件ですが、2位は22件くらいですからね。
――「数」を重視するわけですね。
レインズに私どもの会社名が大量に載っていると、多くの不動産会社様に知ってもらえる。知ってもらえれば、物件情報を紹介いただけたりする。数をやると、こういうメリットがあるわけです。買い取ったらリフォームを施して、またレインズへ。レインズは朝7時から夜の11時まで利用できますが、この間、私どもの物件を頻度多く見てもらえれば営業もしてもらいやすい。そんなことをしていたら売上が250億円になっていたという感じです。
――ただ、そういう戦略を同業他社が採用しない理由は、人気エリアから外れた物件は売れるのか、売れ残って値引きして赤字にならないか、といったリスクがあるからだと思います。

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