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ガイソーグループ、加盟企業が100社を突破 売上10億円の強い企業の集合体へ

ガイソーグループ
小川博司 社長
1500号(2022/04/11発行)15面
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ガイソーグループ 小川博司 社長

ガイソーグループ 小川博司 社長

家業から企業へ。組織化の壁を越え、各加盟店が地域で生き残る強い企業を目指すガイソーグループ(富山県富山市)。このほど全国で加盟店が100社を突破した。「日本の住宅を守る」をコンセプトに掲げる同グループのこれまでの歩みと今後の方向性について、小川博司社長に話を聞いた。

【聞き手/報道部長 福田善紀】

組織化の壁を越える必要性

――加盟企業が100社を突破しました。

正直なところ、加盟数は気にしていません。当グループでは売上10億円の会社が100社となる「Strong Hundred」を標榜しています。一昔前、売上が3億円あれば地域ナンバー1でしたが、今はそれだけで一番にはなれません。安定経営するには組織化の壁を越え、家業から企業になることが求められます。

――以前と比べて、本部が提供するものも変わってきたのでは?

営業部員が4~5人在籍し、セールスや広告、マーケティングをきちんとやれば、売上3億円は達成します。しかし、5~6億円となると、2店舗目を立ち上げたり、営業部員が10人、マネージャーも2人は必要になります。そうなると家業から企業に変わらないと目標は達成できません。集客やマーケティング、簡単なセールスは模倣できますが、経営者のマネジメント能力を上げる必要性が出てきます。

10億円に届く企業も

――マネジメント能力を上げるのは容易なことではありません。具体的にはどんなことをしているのですか。

今はオンラインですが、経営道場とセールス道場、施工・建材道場の3講座をそれぞれ年6回開催しています。この他では、ブロックミーティングや研修会、組織を回すためのオペレーションや経営者の立ち位置、視座など重要項目を挙げ、毎回テーマを決めた勉強会も開催しています。

一番成果を上げている会社は、前期の売上6億円から今期8億円になりました。来期は10億円に到達しそうです。また、加盟当時の売上が7000万円の下請け板金会社が、今では5億円に届くところまで成長するなど、着実に成果を上げています。

――ガイソーがスタートしたのが2015年。この7年を振り返ってどうですか。

業種を問わず、コロナによってネットワークから離脱する会社は増えていますが、当グループはコロナで退会したのは数社です。その要因は月額5万円で勉強会、各種ツールを提供しているからでしょう。「G-friend」という会員向けのアプリがあり、「この外壁は塗れますか」「この屋根はどんな種類か分かりますか」といった、現場で判断に困った際に質問が会員に届きます。その質問に対して会員たちが適切な回答をしています。このアプリを目的に加盟する会社もあるほどで、それだけプロが集まっている証拠でもあります。

この他では、塗料の新商品やこれまで日本で出回った屋根材を調査した教材が好評です。屋根材については、ほぼ全部のメーカーを掲載。また、素材やアスベストの含有率を調べた便覧もあります。私どもは工事のプロなので、普通の工事会社ができないようなことに投資しています。こうしたコンテンツを活用できるだけで加盟するメリットはあると思います。

――エンドユーザー向けにも情報を発信していますね。

オウンドメディアも展開していて、去年だけでも約100記事を掲載しました。また、当社では「外装リフォームマスター協会」も主催しています。こちらではガイソー以外の業者や団体に活用してもらうなど、他団体との連携にも取り組んでいます。

自ら工事店化へ

――長引くコロナ禍のなか、日本の外装ビジネスはどうなっていくと見ていますか。

塗装ビジネスは難しくはないので参入障壁は低く、競争は激化しています。ただ、カバー、張り替え、吹き替えになると一気に難易度が上がります。そして需要はありますが、職人が不足しています。

工事会社がブローカーであるうちはノウハウや実力は身に付きません。職人が余っていて安く雇えるなら成り立ちますが、社内に人材が乏しく、職人の取り合いをしているようではうまくいきません。

今後、自分たちが工事店化していける会社か、そうでない会社かで圧倒的な差がつくでしょう。「工事店の元請け化ではなく、元請け店の工事店化」。これを戦略的にやりながら職人や施工力を担保できた会社でないと受注できなくなります。その中で品質をコントロールできる会社がイニシアティブを取っていけるでしょう。

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