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ダンドリワーク、「目指すのは建設業界の...

ダンドリワーク、「目指すのは建設業界のライザップ」

ダンドリワーク
加賀爪宏介 社長
1502号(2022/04/25発行)17面
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ダンドリワーク 加賀爪宏介 社長

ダンドリワーク 加賀爪宏介 社長

伴走型コンサルで改革を支援

建築現場の施工管理アプリ「ダンドリワーク」を提供するダンドリワーク(滋賀県草津市)。利用者数は6万社、利用ユーザー数は12万人に及び、いまもなお成長を続けている。無料の施工管理アプリも登場するなか、「あくまで現場とともにある建設ITコンサルであり続けたい」という加賀爪宏介社長に、サービス展開の意図や現状、今後の展望などを聞いた。

【聞き手/報道部長 福田善紀】

「使えていないならやめて」の意気込み

――無料を含めてさまざまな施工管理アプリが出ていますが、現状をどう捉えていますか。

無料と有料で、提供しているサービスを受ける建築会社が分かれると思います。リテラシーが既にある会社さんは無料で良いかもしれませんが、有料アプリが提供するような、あれこれ丁寧にアテンドしてほしい会社も多数あるんだなということがわかりました。

最近は、うちの商品を使うより前に、最初に無料のところを使って試して、という方が増えました。ただ、無料アプリのサポートではものたりなく、費用がかかっても良いんじゃないかという会社から弊社に連絡が来ている印象です。無料のものが出たことで、裾野は確実に広がったとは思います。

――施工管理アプリがすでにマーケットの中で標準になっているという認識でしょうか。

なっていると思っていましたが、やはりなっていないのかなと思っているところです(笑)。これまで、業界紙などを読んでいるリフォーム会社や工務店をメインターゲットにしてきました。その人たちは7、8割まで導入している感じはしていますが、地方のそこそこいけている会社も結構あって、その方々まで入れると、実はまだまだ分母は膨大にあると思っています。そう考えると、1、2万社にはリーチできていましたが、それ以外の10万社にはまだリーチできておらず、マーケットが広いというのは、体感を含めてあります。

――まだ、市場への浸透余地が高いということですね。ちなみに、すでに導入しているユーザーは、アプリを使いこなしてきていますか。

はい、使いこなせている方の割合は、めちゃくちゃ上がっていると思います。僕らも気合いを入れて、「使えていないんだったらやめてください」くらいの勢いでやっています(笑)。図面、地図や写真といった基本情報では、利用率でいえば確実に9割以上は使いこなしている認識です。というのも、無料版がこれだけ出ていて、仮に使えていなければやめてしまいますよね。3年前とはだいぶ変わっている。

コンサル会社ができなかったコンサル

――施工管理アプリが徐々に当たり前になってきたなか、ダンドリワークを率いる加賀爪さんはどんなことをすすめていくのでしょう。

顧客管理システムを含む一元管理システムをつくるということで、僕らのような非IT会社がIT業に参入して7年やってきましたが、この先もチャレンジしていきます。これからは、実務を引き受けるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)ではなく、アプリ導入企業に対し、コンサル会社ができなかったコンサルみたいなことをやっていくイメージです。

システムというキーファクトを持っているからこそ、そこを先導できることもあると思います。伴走型コンサルみたいなことは、これからやりやすくなるかもしれないですね。例えるなら「建設業界のライザップ」でありたい。

会社全体のプロジェクトマネージメントを僕らが担わせてもらってやっていくみたいな。50人以下の会社とかだと、僕らが会社に1人いるかもしれないという有能な人材になって、定期的に見ていくのが理想ですね。

オペレーションの標準化へ

――ただ、オペレーションがバラバラな事業者に個別コンサルをするのは、限度があるのかと。御社が考えるオペレーションの業界標準を作ってはいかないのですか?

住宅会社で考えると、規格住宅でオペレーションを簡略化すればするほど、利益率は上がっていく。その逆は、フルオーダーで高性能な家を作ること。僕らはその間というか、パターン化できるような規格と、フル注文ではないけど、オプショナルはしっかり出したいと考えている。それだと中途半端になるんじゃないのと言われるかもしれませんが、絶対この型というのは難しく、最初のヒアリングをしっかりやれば、パターンAからCなどになると思っています。

――なるほど、セミオーダーのイメージですね。具体的にどんなオペレーションのどんな型が見えてきていますか。

社内の部署とか組織図、そして採用についてですね。営業シーンや契約のオペレーションとかも、大きく分けるとパターンがあると思います。やっていることの種別で分けるのではなくて、あくまで会社全体の営業シーンから現場で竣工して引き渡すまでの管理フローで考えると、全体をプロジェクトで管理していくことなので、それほど大きく変わりはないかなと思っています。

――つまり、業界の型をダンドリワーク社が形にしていくわけですね。それには人が必要になってきますね。

話をしたようなレベルのコンサルができるのは6、7人ほどしかいなくて、それではやれることは高が知れている。なので、1つは採用をやっていきます。建築業界のネクストキャリアではあると思うし、遠隔でやれる仕事だと思う。60歳以上になり、現場はきついけどキャリアを生かしたいというような人の採用はしやすいと思っています。

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