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ジャパン建材、プライベートブランドを刷新

ジャパン建材、プライベートブランドを刷新

ジャパン建材
推進グループ住設部 商品開発課長 花田誠和氏
1572号(2023/10/09発行)13面
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ジャパン建材(東京都江東区)は、プライベートブランド「Bulls(ブルズ)」をリニューアルした。立ち上げから20年以上経過した同ブランドの取り扱いカテゴリ数は、680と多岐にわたり、事業売上高は130億円を超えている。右肩上がりに売り上げを伸ばしているブルズをなぜリニューアルするのか。推進グループ住設部商品開発課長の花田誠和氏に話を聞いた。

3年後に売上200億円へ

商品をストーリーに乗せて提案

ジャパン建材 推進グループ住設部 商品開発課長 花田誠和氏推進グループ住設部
商品開発課長
花田誠和氏

── まず、ブルズブランドの概要と、始めたきっかけを教えてください。

ブルズは全国展開する建材商社であるジャパン建材が運営するオリジナル・プライベートブランドです。この事業を始めた当時は、「仕入れて売る」というのが基本でありながら、他社との差別化や、自社ブランドでどう利益を上げていくかを目指して始めたと聞いています。業績は右肩上がりを続けており、去年は売上高が130億円、カテゴリ数は680あります。

── 実際、どんな商材を扱っているのですか。

基礎資材が多いです。表面から見えないもの、断熱材やシートが中心。建具はありませんが、新築やリフォームで絶対使う家一棟を建てられるものがそろっています。フローリングや意匠性のある商品も増えてきていて、隙間で使う細かいものも含めて、トータルで全部提案できるブランドにしていこうとしています。

── 成長を続けている中で、ブランドをリニューアルされたのは、どういった理由でしょうか。

私は去年4月に課長に就いたのですが、従来通り弊社展示会で営業担当に売らせる販売スタンスに限界を感じていました。価値が価格でしかないと見られており、そこを変えるにはどうしたら良いかの改善をはじめました。

たとえば、商品を作る背景や、誰のために作っていて、どういう使い方をしたらこんな暮らしが手に入るとか、ストーリーを作りながらの情報発信に取り組みました。

── 情報の伝え方を変えていくということですね。

ブルズの商材はOEMが多いので、フローリングでいえば、元のメーカーさんにもブルズにも、同じような商品があるわけです。そのため、モダンテイストなど、空間ごとのテーマを組み立てて売り出しました。カタログも刷新したのですが、カテゴリをしっかり分けたら、フローリングでは、シートや突板フロアといった、扱っていない部分が見えてきました。今後1年かけて足りない商材を埋め、求める暮らしのテイストがブルズのカタログを見れば全部手に入るというようにしていきます。見えない音や匂いなど、そこまでをしっかり見せて、建材商社としての提案ができたらと考えています。

ジャパン建材 カタログも刷新カタログも刷新

顧客を巻き込んだ暮らしの価値発信

── カタログ以外にはどのような情報訴求をしていくのですか。

プレゼン資料や動画も作りますし、ホームページもリニューアルを予定しています。営業担当が吸い上げてきたものを、われわれが解決するための情報を提供していくスタンスです。1、2カ月に一度は「今のトレンドはこんな感じ」という小冊子も提供していきます。

── 情報訴求先は、販売店が中心ですか。

顧客である販売店に加えて、工務店のネットワーク「快適住実の家」の会員や新規顧客に向けても、こういうことを行っていますと伝えていきます。例えば新しく提供を開始した20年のシロアリ保証は、ブルズでしかやっていない武器ですが、私どもを知っているお客様しか使えないというのはすごくもったいないですので。

── いわば、ブルズが埋もれている良品を見いだして紹介してくれるということですね。

「一発で探しているものが見つかる」ことで、ファンを作っていきたい。そして、お客様を巻き込んで一緒に発信するコミュニティを全国各地に作っていきたいと思っています。今までは、卸が中心で「言われたものを持っていく」というのが多かったのですが、積極的に価値を提供していきたいですね。

── 従来の方向性と一線を画す動きになりそうです。

ブランドでありメディアでありコンシェルジュ、そこに建材商社の第三者目線での価値を添えることが、私どもにしかできないプライベートブランドの価値だと思いますし、そこが最終目標です。

ただ、一つの価値を提供するのには足りないものが多いので、それらの商品を足していきながら、今年度は売上高150億円、来期以降は180億、200億円を目指しています。

ジャパン建材 東京のジャパン建材フェアのBullsコーナーでは新たな展示手法に挑戦東京のジャパン建材フェアのBullsコーナーでは新たな展示手法に挑戦

会社概要
会社名 :ジャパン建材
代表者名 :小川明範
本社所在地 :東京都江東区
創業年 :2006年2月
従業員数 :1390人(2023年3月31日現在)
事業内容 :総合建材卸売事業
売上高 :2889億9100万円(2023年3月期)

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