1000万円超、リノベ年間45棟達成

横田満康建築研究所　横田満康社長

ＩＫＥＡのパーツをベースに作ったオーダーキッチン

予約半年待ち「ハーフDIY」「IKEAキッチン」が人気

「予約でいっぱい。今注文が来ても、着工は半年先」。リノベーションの設計・施工を強みとする横田満康建築研究所（京都府京都市）には、大型リフォームの依頼が絶えない。同社の人気の理由について、横田満康社長は「他社がやらないことをやること」と話す。

年商は6億円

　―――先日、ホームページのトップに「年内のリノベーションについては予約が終了しました」といったような案内がありました。以前から大型リフォームに特化した経営を行ってきていますが、現在はどれくらいの実績があるのですか。
私たちが担当するのはほとんどが１０００万円以上のリノベーションになります。東京に設計士6名、京都に9名、その他、アフターサービス、大工、事務などがおりますが、それほど大きな会社ではありませんので、大型リフォームに対応できる数に限界があります。京都では年間30棟余りで、東京を合わせ約45棟。年商はおよそ６億円になります。これ以上の数はできませんので、平均すると３～４ヵ月、予約待ちしていただいております。

　―――ホームページの施工事例を見ると、最低でも８００万円、大きなものだと４０００万円を超えていますね。なぜそれだけ大型リフォームの依頼が絶えないのでしょう。
私たちのリフォームで特徴的なことといえば、例えばクライアントであるお客さんが参加する「ハーフDIY」と、世界に一台しかないオーダーメイドキッチンを作ること。これらをきちんとホームページで伝えているからだと思います。

　―――「ハーフDIY」というのはなかなか聞き慣れない言葉ですね。
リフォーム工事の中で、お客さんの手でできることがあります。例えば、私たちは自然素材にこだわっているのですが、珪藻土の塗り壁はお客さんでもできます。私はすべての方に会って話しますが、「必ず何かは自分でＤＩＹしましょう。自分の家を自分で作った方が愛着がわきますよ」と話しています。
私はカナダで大工をしていたことがあるのですが、欧米ではお施主さん自身が自分の家を愛着を持ってメンテナンスする。DIYすれば、もちろん人工代も浮くし、モノを作る楽しみがある。積極的な人は床のフローリング貼りや断熱材の敷き詰めまで自分でやって楽しんでいます。

　―――全部プロに任せるのではなくて、自分もリフォームに参加して楽しめる点が魅力です。
だから、キッチンも「自分で作ってしまいましょう」と話しています。9月には京都の事務所にキッチンショールームを作りましたし、「Ｙ-Ｋｉｔｃｈｅｎ」というこれまで私たちが手掛けたオリジナルキッチンだけをまとめた専用ホームページまであります。これを見られてほとんどのお客さんはオーダーで作ります。

　―――100種類近いオリジナルキッチンの事例が掲載されていて、どれも一つ一つ違うというのは、かなりのインパクトがあります。
オーダーキッチンというと、高いというイメージがあるでしょう。私たちは、デザインだけでなくローコストにこだわります。国産の高価格帯のキッチンの半額で、デザイン・品質はもっと良いものを目指しています。特に今人気なのは「ＩＫＥＡ」のキッチンです。様々なパーツ、仕様を組み合わせてコーディネートできるところが好評です。

1日1000アクセス

　―――他の会社では体験できないDIYや、一点モノのキッチンなど、「リフォームの楽しみ」を伝えることが人気の理由でしょう。販促についてはホームページが主ですね。
1日に１０００アクセスくらいあり、月に10〜20件ほどのお問い合わせがあります。コツはやはり施工事例の見せ方だと思います。

　―――毎日、リフォーム現場を写真でリポートしています。
ほとんどすべての現場について、「キッチンショールームに行って来た」「解体しました」といったように、初めの面談から最後の完工までホームページで紹介します。見ていらっしゃる方に工事のプロセスが自分でわかるということ、そこが安心につながります。情報をオープンにしていることで頼みやすくなると思います。

　―――今後の計画は。
来期はすこし数を増やして年50〜60棟手掛けたいですね。中古を買ってリフォームというケースが増えてきていて、エンドユーザーの方は、「わざわざ新築しなくても」という考え方を持ってきています。これからリノベーションはもっと増えていくでしょう。

所在地　＊　京都府京都市　／　拠点　＊　2拠点（京都・東京）　／　社員数　＊　23名
設立　＊　2000年　／　リノベーション工事件数　＊　年間約45棟　／　年商　＊　6億円