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共同仕入れネットワークで工事会社を支援

共同仕入れネットワークで工事会社を支援

COLORS JAPAN
藤田精 社長
1071号 (2013/05/07発行) 15面
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COLORS JAPAN 藤田 精社長

COLORS JAPAN 藤田 精社長

 賃貸マンション管理会社が立ち上げたCOLORS JAPAN(東京都千代田区)が運営する共同購買ネットワークが話題を呼んでいる。消費者のニーズから生まれたオリジナル建材の開発も手掛け、差別化提案を行なえるよう徹底して工事会社をサポートしている同社の藤田精社長を取材した。

奥行き26の洗面台など差別化商材も開発

 ―――COLORS JAPANの運営するネットワークはそもそもどのような経緯で始まったのでしょうか。
 元々は賃貸マンションの管理会社でのネットワークとしてスタートしています。私たちは管理物件の原状回復の工事などを行うわけですが、そうした際に少しでもコストを抑えるために全国の管理会社に声を掛けて共同購買の仕組みを作りました。現在では北海道から沖縄まで管理会社だけでなく、リフォーム会社や工務店、ゼネコンも会員となっています。

 ―――リフォーム会社がネットワークに加わることでどのようなメリットがあるのですか。
 大きく分けて3つあります。1つ目は価格競争力を高められる点です。大手家電量販店や大手小売販売店などの異業種がリフォーム業界に参入してきていますが、こうした大資本を持つ会社の仕入れに対抗することは中小企業単独では難しい。例えば、ウチのネットワークでは先月だけで2200台のエアコンを購入しています。この規模で仕入れたため1台2万円台半ばで会員に提供できました。これは家電の例ですが、建材でも同じことです。営業の一番の武器は値段ですから、これだけでも受注獲得の力になります。

 ―――2つ目のメリットはなんでしょうか。
 差別化提案を行なえる独自に開発した建材も購入できる点です。奥行き26㎝の独立洗面台やデザイン性に優れた大型壁収納システム、間仕切り収納システムなどニーズがあってもコストや施工するスペースの問題で提案できなかった商品をコストパフォーマンスの高い価格で提供しています。

折り畳式の洗面はスペースが狭小でも提案しやすい

折り畳式の洗面はスペースが狭小でも提案しやすい

 ―――これらは賃貸物件での入居者のニーズから開発されたのでしょうが、戸建てやマンションリフォームで使っても面白そうですね。2階にも洗面を置きたいけれど、通常の洗面台を置けるスペースがないなど、ニーズがありそうです。
 賃貸住宅向けの建材というと安いだけというイメージが強いかもしれませんが、最近では品質とデザイン性なども求められています。そうしたニーズを満たすことのできる差別化提案のために開発した商品です。省スペースでもきちんとした機能を持った独立の洗面台が8万円、デザイン性も優れた壁収納が13万円で購入できるというのは、提案に使いやすいと思います。

 ―――3つ目のメリットはどんなものでしょう。
 集客や営業支援も行います。集客面では、本部で作ったチラシを活用してもらったり、管理会社とのマッチングで賃貸リフォームの施工を獲得してもらったり。営業面でも弊社の建材を活用して受注をどのようにしたら取れるのかセミナーも定期的に行っています。他に、売りやすいパッケージ商品の開発も営業支援と言えるでしょう。

 ―――例えば、どのようなパッケージ商品を。
 戸建て向けだと、1616のユニットバス、温水便座、便器、シャンプードレッサー、ワイド2550のキッチン、浴室乾燥暖房機などをパッケージにした消費者に対しては施工費込みで250万円の定価設定でPRできるパックがあります。これを業者さんには39万8000円で販売します。お客様に対して多少の割引を提示しても価格面でのアドバンテージを十分発揮してもらえると思います。こうしたパッケージ商品はこれから増やしていきたいと考えています。

 ―――賃貸物件の管理会社に加え、リフォーム会社や工務店を対象に会員募集を強化する狙いは。
先ほども少し触れましたが、家電量販店やショッピングモールなどをはじめとする大資本を持った異業種からの参入がリフォーム業界に続いています。このままでは地域に根差した中小の工事会社は価格面、提案面、集客面で対抗できずに淘汰されてしまいかねません。
 私たちのネットワークを活用していただければ、こうした状況でも戦えるのではないかと考えたのです。もちろん、こうした異業種からの参入や大手住宅会社の寡占が進む前に、私たちのネットワークの同志を増やしてより強いネットワークにしていきたいという狙いもあります。

 ―――中小企業のための支援策もかなりありますね。
 中小企業の仕入れで大きな問題となっているのが、与信の問題です。受注があっても必要な建材を売ってもらえない、もしくは高くしか買えないというのはよくあることです。COLORS JAPANでは与信に関係なく、建材を安く仕入れることができる仕組みを用意しています。
 住設機器のレンタルという一風変わったシステムがそれです。支払いについても、サイトを長く取ることができるようにしていますので、経営を圧迫することなく集客営業に集中してもらえると考えています。他にもプラン作成支援も行っていますし、24時間OB顧客からの問い合わせに対応するコールセンターサービスなど話しきれないくらい色々と用意しています。賃貸管理で培ったシステムがこうしたサービスの提供にも生きています。

 ―――今後の計画は。
本年度中にリフォーム会社や工務店などの工事会社の会員を500社まで増やしたいと考えています。仲間が増えることで、より安価に差別化商材を豊富なラインアップで提供できるようになると考えています。

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