三春情報センター 春木磨碑露社長

所在地 * 神奈川県横浜市 / 設立 * 1977年2月 / 資本金 * 9000万円
年商 * 約35億円(リフォーム売り上げ約7億円) /年間仲介件数 * 約1800件 / 拠点 * 24ヵ所
神奈川県の横浜・横須賀・湘南で不動産売買事業を主業務とする三春情報センターは、本格的にリフォーム事業を強化する。設立から36年間で培った地域での知名度に加え、24拠点を展開する組織力を基盤に今後10年でリフォームを自社の柱とする構想だ。春木磨碑露社長に成長に向けた将来展開を聞いた。
ブランド名を統一
―――先日、リフォームブランドを「Rstudio(アールスタジオ)」に統一されました。いよいよリフォーム事業本格化という意味合いでしょうか。
今後、弊社が成長していく上で、リフォーム事業がキーになる。むしろ全体の売り上げ割合でいうとリフォームの割合の方がどう考えても、多くなるはずなんです。それは、人口減少に伴い、新築が減りますが、世帯人数の変化で発生する住み替えニーズは将来も変わらないためです。その中でライフスタイルに合わせたリノベーションが必ず発生してきます。不動産仲介だけをやっていますと、住み替えが少なくなってくると業績が下がりますから、戦略的にリフォームを伸ばすことが必要不可欠。今後はリフォームを別会社として展開する可能性もありますから、そのための意識・仕組みの統一が必要なためブランドを1つにしました。
―――今後は仲介事業から派生するリフォームを増やしていくということでしょうか。
仲介からだけではありません。私どもは1×10(ワンバイテン)といっているのですが、要するに仲介など1つの事業から、リフォーム、管理など10に渡るビジネスが派生しますよ、事業ごとの連携を強めましょうといっています。これが強みであり弱みでして、例えば新築等で信頼関係ができたお客様に、リフォームを提案すれば、デザイン性が秀でていなくても受注が可能ですよね。新しいことに挑戦しなくてもできてしまう部分がある。
社内コンテスト開始
―――リフォームを強くするために、その弱点を改善するわけですか。
まずは、アールスタジオがデザイナー集団であるという意識にしたい、ブランドを作りたいと考えています。そのため、半期に1回社内コンテストを開き、社員に投票して優秀賞を決める取り決めを始めます。
―――デザイナーは何名ぐらい在籍するのでしょう。
リフォームで7名、新築で5名です。実際にお客様の家を施工した作品を約170名の社員に選んでもらうので、直接関わったお客様の笑顔や、満足度も反映され、よりリアルな評価になると思います。第1回目は11月の予定です。
―――デザイン力を強化した後の戦略はどのように考えていますか。
今までリフォームは仲介部門からの紹介で売り上げの96〜97%を獲得していましたので、自らブランドを作り、自ら集客をして認知度を上げる取り組みをしていきます。また、先日シニア事業として訪問医療を立ち上げたのですが、立ち上げた理由は、訪問することで、何に困っているか、今後の悩みが見えるじゃないですか。その時に暮らしを改善するリノベーションや、施設に入ることでの自宅売却など色々なケースが出てきます。不動産とリノベーションを絡められるのです。つまり、アールスタジオを中心に発信していくものと、異なる事業から新たな囲い込みをしていく、この2点でのアプローチをしていきます。
―――将来は、さらなる新ビジネスからリフォームへの派生が考えられるわけですね。
そういうことです。1×10が2×10となりさらに3×10となって、最終的には10×10と全部の事業が、他のすべての事業に派生する流れになれば、事業規模が倍増していきますよね。そこを狙っている。リフォームを伸ばしたら、それを他事業に絡める、そしてより深掘りする仕掛けです。
―――具体的な新事業構想はあるのでしょうか。
大きいところではウェディング関係です。家を買うとか、借りることはイベントですよね。それがどのタイミングであるかというと家族が増えたか減ったときですよ。最初に家族が増えるのは結婚ですから、そこを取り込めれば不動産需要があります。
―――ウェディングプランナーのような事業でしょうか。
簡単にいうと、そのようなイメージです。さらに、教会やホテル、何でもよいのでそこと提携し、不動産なら三春情報センターとバーターで紹介し合えるとよいと思います。
中期計画で掲げた5本の柱
―――今でも御社は不動産会社ではなく、「住まいと暮らしの総合生活産業」という言い方をしていますが、これからはより不動産という枠組みにとらわれず、事業を拡大していく方向性ですね。
中期計画では、仲介、建築、リフォーム、固定収入、シニア事業という5本の柱を立てました。固定収入も重要なところでして、今分譲マンションは800世帯、賃貸住宅は2500世帯管理していますので、10年後には10万戸まで増やしたい。管理が増えれば、アパートでも駅から遠いところなどはなかなか入らないですから、客付けしやすい物件に変えるリノベーションも伸ばせるところだと思うのです。そうしますと、個人宅だけだった提案型のリフォームが収益物件まで広がってきます。

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