フレッシュハウス 佐野士朗 社長
前期50億円の売り上げを突破したフレッシュハウス(神奈川県平塚市)は愛知県初進出となる名古屋天白店をオープンした。従来は面での展開を基本とし、平塚本社から半円状に店舗を拡大してきたが、初めて飛び地出店に踏み切った。佐野士朗社長にエリア拡大の理由と今期の戦略を聞いた。
飛び地出店開始
―――9月15日についに名古屋天白店をオープンしましたね。点ではなく面状に店舗を拡大していくのが御社の戦略でしたので、名古屋への進出は驚きました。
今までは職人さんがなかなか確保できなかったことが点での展開ができなかった理由です。それがメーカーさんや商社さんとのお付き合いが長くなり、地方でもご紹介いただけるようになりました。職人さんを探すのに前のような苦労はなくなりましたね。
―――ただ、名古屋はニッカホームをはじめ競合店が多くあります。勝算はありますか。
成功させないといけませんから、優秀な社員ばかり行かせています。常務の道山を筆頭責任者に、マネージャーに小林、店長に戸田店の店長をやっていた原田などです。それと女性ではトップの成績の関は新卒で入り5、6年経ちますが、営業じゃなく事務で行かせました。電話やお客さんの来店時に対応してもらいます。相当鍛えられていますから、通常の事務の方とは相当違うでしょうね。その子が行っているのでホントに強いですよ。
―――オープン時のイベントの反響はいかがでしたか。
2日間で172組、332名が来店しました。予想より、断然多かったですね。私も初日に行き、ちょっと見て帰るつもりでしたが、忙しすぎて泊まることになりました。家内は焼きそばなどを手伝って、私はポップコーンをずっと作り続けていましたよ。ですから成果としては良かったです。しかも当然ながらOB客が1人もいなくて、全部新規ですから。
―――店の大きさはどのくらいですか。
90坪くらいです。機器はキッチンが4つ、お風呂が2つ、それと洗面、トイレなどの水まわり設備が置いてあり、あとは座りながら打ち合わせができる和室もあります。
―――天白店というくらいですから、今後は名古屋市内でさらに店舗を増やす予定ですよね。
1拠点じゃ寂しいですから。ただ、出店にはどうしても社員が必要になるので、お客さんとの対応ができる人材を採らないといけません。
―――1店舗の売り上げ目標は他店と同じく3億円でしょうか。
どこでも基本3億円でして、今は平均3・3億円ほどでして、3億円以上はやってほしいですね。
―――名古屋出店が成功しますと、今後気になるのが、他の大都市への出店です。大阪などへの進出はありえますか。
パラシュート展開が成功しましたら名古屋発大阪行きのように、他地域にも広げたいと思います。あと名古屋に出したおかげで静岡店とは近くなりましたから、浜松出店などもありえます。それで東海道がつながりますし、東名高速に乗っても端から端まで行けますしね。
―――ただ、今までですと、転勤でも遠くて静岡だったじゃないですか。名古屋への辞令を出して社員の方に抵抗はなかったですか。
全然ありません。まず手を上げた社員から行かせました。平塚が出発点なので社員は湘南あたりが地元の場合が多いので、立川や大宮にも行ってもらっていることを考えると、名古屋もそう変わらないですね。それで、スタッフの半分は現地の人を採用する形が多いです。
―――将来は関東に戻ってくる想定でしょうか。
基本は向こうで頑張ってという考えです。ただ、部下を育てたら戻っていいという考えはあります。
―――懸念することとして、遠くなることで社員同士のコミュニケーションが取りにくくなりますよね。御社の離職率が低下した要因に、イベントなどで、社員のつながりが強まったことも関係していると思います。拠点が離れることで、結びつきが薄まらないでしょうか。
それはあるでしょうね。でも、これからは近場の職場同士で交流を図ることになると思います。
所在地 * 神奈川県平塚市 / 設立 * 1995年7月 / 資本金 * 1億円
代表者 * 佐野士郎氏 / 拠点数 * 22ヵ所
年商 * 51.1億円、経常利益2億5000~6000万円

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