フィディア 福井龍介社長
主婦をターゲットにした集客でリフォーム売上約6億円
鳥取、島根でリフォームショップ「ホームデコ」を4店舗展開するのが、フィディア(鳥取県米子市)福井龍介社長だ。公共事業の先細りを見越して、ゼネコンからリフォーム事業へのシフトチェンジに成功した企業だ。カルチャースクールを活用したユニークな集客手法で注目を集めている。
―――御社はもともとゼネコン事業がメインだったそうですが、「ホームデコ」のブランドで住宅リフォーム事業を始めてどれくらいになりますか。
平成10年からですね。その年に米子店をオープンし、平成12年に島根県の松江店、平成15年に境港店、平成18年に安来店を出店、現在、鳥取県と島根県で4店舗展開しております。
―――今期の売上は?
前年度の会社全体の売上高が10億円、ホームデコ事業で約6億円でした。内訳は、3億円が住宅リフォーム、3億円がエクステリア・ガーデンリフォームです。前年度、初めて住宅リフォームの売上がゼネコン事業の売上を上回りました。
―――公共工事も含めたゼネコン工事が減少することを予測して先手を打ってきたことが功を奏したということですね。
竹中工務店に12年間勤務した後、父が経営していたこの会社に戻ってきました。その当時は、ゼネコン全盛で、どこも元気が良かったので、別の事業を展開するなんて発想はありませんでした。39歳の時に父親の後を継いで社長に就任した時に、ホームデコ事業を始めたのです。「これから公共工事は減少する」とは頭の中では理解していましたが、次から次へと仕事がきていましたので、「とりあえず始めてみようか」という感覚でスタートしました。当初は何店舗も出展するつもりはありませんでした。
―――なぜガーデン・エクステリアのリフォームを手掛けることになったのでしょうか。
あるコンサルタントの方との出会いで、ほとんど手掛けたことのなかった「ガーデン・エクステリアのユーザー向けショップ」でスタートすることになったのです。リフォーム事業を始める前に、輸入住宅事業も展開しておりましたので、新築OBユーザーにも提案できると思い始めてみることにしました。

ガーデン商材とカルチャースクールをPRしているチラシ
―――御社の店舗は雑貨店のような雰囲気ですね。ではどれくらいのスタッフで運営していらっしゃるのでしょうか。
米子店と松江店には6人ずつの営業スタッフが常駐しております。境港は1人、安来店に営業マンは常駐していません。そのかわり、店舗運営をするパートさんが1店舗に数名います。これらのパートさんが電話番と雑貨部門の販売や様々なイベントの運営もしていただいています。営業社員も女性が半数以上、パートさんは皆さん女性です。実は来店されるお客さんもほぼ100%女性です。
―――ええ?!お客さんは100%女性!?チラシも女性を意識した作りですね。店舗も同様に女性が入りやすいようになっているのでしょうか?
入ったら机と応接室がある事務所のような店舗では、誰も気軽に寄っていただけません。当社の店舗では雑貨も販売していますし、全店舗で毎月延べ80講座のカルチャースクールを開講しています。延べ人数にしたら400人くらいの方は毎月ご来店いただいています。
―――月間80講座?それはかなり多いです。こういったカルチャー教室を開催して集客するリフォーム会社さんは多いですが、ここまで多数の講座を開講している会社は聞いたことないですよ。
何気なく始めたのですが、どの講座も人気でどんどん増えていきました。ものづくり系の講座以外にもヨガやスペイン語教室なども人気ですね。教室を始めて一つ気付いたことがありました。それはこういったカルチャースクールに熱心に通う方は「向上心のある人」であるということです。自分をもっと高めたい、自宅をもっときれいに飾りたいと考える方と「リフォームをしたい」と考える方はイコールだと気付いたのです。例えば、家の襖や障子が破れている人は、こういった教室には来ないと思うんです。
―――それはそうかもしれませんね。ガーデンで花を植えるような方もそうでしょうね。
花が枯れたらまた新しい花を買い求める方も向上心があり、当社のお客さんになる方だと思っています。だから、ウチの店舗では花の苗も販売しているのです。

創業 * 昭和37年 / 資本金 * 3300万円 / 売上高 * 10億円
社員数 * 36人(パートを含む)

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