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人材不足のエクステリア業界に応えたいE...

人材不足のエクステリア業界に応えたい E&Gアカデミー

E&Gアカデミー
小松正幸 社長
1096号 (2013/11/12発行) 16面
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ユニマットリバティーリックカンパニープレジデント E&Gアカデミー 小松正幸社長

ユニマットリバティー リックカンパニープレジデント
E&Gアカデミー 小松正幸 社長

プロ、OB向けの専門講座も設置

この10月、ユニマットリバティー リックカンパニーがE&Gアカデミーの株をLIXILから取得し、子会社化することとなった。リックカンパニープレジデントの小松正幸氏が同アカデミーの代表取締役社長に就任する。生徒数や講座の拡充、カリキュラムのさらなる構築に向け、取り組みを強化する。小松社長に話を聞いた。

 ―――まず「E&Gアカデミー」株式取得までの経緯について教えてください。
 もともとE&G(エクステリア&ガーデン)アカデミーはリックが平成10年に設立した専門校で、歴史ある当時の造園技術専門学院を引き継ぎ、蔵前の東京校からスタートしました。全国展開するには我々だけの力では足らないということで、3期目に東洋エクステリアさんに増資していただき、今に至りました。

 設立当時、まだエクステリアのプランナーという存在は業界のなかでキチンと体系化されておらず、あくまでも施工がメーンの世界。ポテンシャルはあったものの、景気低迷も続いたし、次第に受講生の数も減り、東京、大阪、名古屋と3校あったうち名古屋校もなくなりました。

 一方で、当社はご存知の通り、エクステリア設計のCAD(コンピュータ支援設計)の開発と販売を手掛け、おかげさまでよく売れています。取引先は全国約5500社に上りますが、そのいろいろな企業さんから「CADは入れたけど、それを使う人材が全然足りないよ」と声がかかるのです。

 我々はこうした企業のニーズにキチッと応えなければいけない。人材育成にもっと力を入れるためには、再度我々の手でアカデミーをやらせてもらいたいという気持ちを強くし、約1年前からLIXILさんと話し合いをして、今回の運びとなったわけです。

 ―――E&Gアカデミーの今後の経営方針は。
 「プロのエクステリアのプランナー養成」という基本路線を踏襲しつつ、まずは生徒数を増やします。来年2月に学校を浅草橋から南青山に移転し、リック本社の1階と地下の2つに教室を置くほか、ユニマットビルのすぐ横のビルにも50坪の教室を設置します。これで教室はずいぶん広くなります。

 第2に、これはすごくやりたいことなのですが、当校では今までに約1000名の卒業生を輩出しており、このOBへのフォローアップをしたい。そのためにプロ向けの専門コースを構築します。

 どういうことかというと、全日制コースでは相当きついカリキュラムが組まれ、デザイン設計の知識を屋外実習含め詰め込まれるのですが、いざ卒業して就職すると、それだけでは足らないというか、違った場面が多く出てきます。

 それは何もこの業界に限ったことではなく、会社の仕事として接客や営業もあるし、プランナーで採用されたとしても施工管理や実際の施工技術が必要なことも出てきます。もちろん独立するなら経営の勉強も必須です。

 140万円の学費を払って卒業して、夢を持って業界に入っても、3、4年で夢破れて去っていく人たちが多いのがまだ現実で、これが慢性的な人材不足につながっているのです。同時に、プロの人たちが育ちきっていないという証拠でもあります。

 プロ向けの講座は学校だけでなく、リックの6支店で部分的に開講したり、勉強熱心な方はとくに地方に多いと思っているので、WEBを使ったe-ラーニングを活用しビデオ配信も行っていく予定です。

 ―――E&Gアカデミーにかける期待は大きいですね。
 いま私が一生懸命やっているのが、アカデミー卒業生への取材なんです。学校パンフレットに載せたりするためなのですが、OBをまわってみると、「本当にいい学校に入ってよかったと実感している」とか、「一緒に勉強した仲間たちが心の支えになっている」とか、「アカデミーのおかげで全国に横のネットワークが出来た」など嬉しい声の連続なんです。

評判もいい卒業生

 採用企業さんからも「新人さんとすでに3、4年の差がついている」「また採りたいからいつでも紹介して」と、これまた嬉しい声が。私自身が、「ああ、いい学校なんだな」と認識を強めました。どんどんヤル気がみなぎっています。

 当社では最近エクステリア応援カンパニーをスローガンに掲げています。

 ITと人材の両面からエクステリア業界を支えていこうということですが、パートナーであるハウスメーカーさんや工務店さんからは、外だけでなく、家の内側や家全体についても支援してほしいという声が近年高まっています。そうしたニーズにも今後、応えていけるように頑張りたいと思います。

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