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ハプティック、花屋とコラボした賃貸

ハプティック、花屋とコラボした賃貸

ハプティック
小倉弘之社長
1097号 (2013/11/19発行) 16面
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ハプティック 小倉弘之社長

ハプティック 小倉弘之社長

目指すのは"どこにもないふつう"の賃貸

"どこにもないふつう"をコンセプトに新しい賃貸住宅リフォームのスタンダードを目指すハプティック(東京都渋谷区)。賃貸の収益性の関係上、採用率が極めて少なかった無垢フローリングを標準で使いながらも、定額制で入居者の居心地を重視した空間づくりに取り組んでいる。花屋とのコラボや老朽ビルの再生も手掛け始めた同社の小倉弘之社長に将来戦略を聞いた。

グリーンを置ける空間を

 ―――先日は、フラワーショップ「青山フラワーマーケット」を100店以上展開するパーク・コーポレーションさんとのコラボ企画を発表されましたね。賃貸とグリーンの組み合わせは初めてではないですか。
 多分、業界でも初だと思います。私どもの無垢材を使ったリノベーションと緑は相性がいいなというところから、スタートしました。貸し出すタイミングでグリーンを紹介する部屋もありませんでしたし、不動産仲介サイトもなかったですから。

 ―――入居者の希望で、グリーンを入れた部屋を選べるということでしょうか。
 そうです。今、私どもでは随時100戸ほどリノベーションを提案している物件がありまして、そこを借りたい入居者のマッチングまで行うのが弊社のビジネスです。通常のリノベーションをした部屋にしましょうか、もしくは緑あふれる空間にしましょうかと、入居者にテイストを選んでもらいます。緑を希望された場合は追加でお金をもらう形です。

 ―――だれが費用を負担するのですか。
 入居者からは家賃にプラス2000円とか、追加する形です。オーナー様には例えば2000円家賃があがるから、工事費用を5万上げてくださいと工事額の増額をお願いします。

 ―――もちろん枯れたら自己責任ですよね(笑)。
 そうですね。なので入居後にお花をプレゼントします。部屋の備品にしてしまうと、枯れたから交換してくださいという話になってしまうので。

 ―――なるほど、つまり鉢などをおけるスペースをリフォームで作るのですね。
 多分、賃貸に住んだ方は緑をどのように飾ればいいか分からない方もいますので、ご提案させていただくのです。

グリーンをデザイン良く配置できる部屋に
グリーンをデザイン良く配置できる部屋に

老朽ビルを再生

 ―――面白い取り組みですね。ほかにも御社ではインテリアブランドのイデーさんと、ビルを再生して賃貸にするコラボ事業も始めましたね。
 老朽化したビルを改修したのは、日本橋などの古くからあるオフィス街で、小さいテナントのニーズが少なくなってきているためです。今回、東日本橋の7階建てのビルの入居者が抜けてしまったタイミングで賃貸化の話が進みました。それは日本橋はオフィスニーズは下がっていますが、アクセスがいい場所ですので住むには便利という、逆転減少が起きるているからです。

 ―――その辺のオフィスは、どこも1室ほど空いているそうですね。
 その通りで、じゃあ賃貸としてコンバージョンしたらニーズがあるのではと、実際貸し出した値段はオフィスよりも高い家賃になったのです。オーナー様も空く可能性があるオフィスよりは、住居であれば、仮に家賃が下がったとしても貸していけますから。

 ―――入居はすぐ決まりましたか。
 2週間で全室満室になりました。それも賃貸があまり動かない8月のお盆前に、思っていたよりも早く決まりました。

無垢フローリングを標準利用

 ―――ところで賃貸リノベーション事業を始めたきっかけは何だったのですか。
 この事業を始める何年も前なのですが、賃貸住宅のワンルームを自分でリノベーションしてみたんです。オーナーさんに交渉して、クッションフロアで陳腐な空間だったのですが、無垢のフローリングを貼るけど、絶対こっちの方がいいので、現状回復しないという了承をもらいまして。するとやっぱり質感が違うのですよ。満足度が高かったので、のちに自分で事業をやるときに、自分が好きなこととして始めました。

 ―――反応はどうでした。
 オーナー様としては、待っていたという方も結構いらっしゃいましたね。家賃を高くしてちゃんと付加価値を上げて貸したいと考えています。それまでだったら、建築家に頼むとか、もしくはリフォーム屋さんと相談しながら、提案するしかありませんでしたから、徐々にリピーターが増えていきました。

 ―――それが御社の定額制リノベーション「TOMOS」なんですね。
 「TOMOS」の特徴は大きく分けると3つあります。ワンルームで39万8000円からという手頃な定額制でお手軽さを訴求しているところが1つ。もう1つが無垢のフローリングを使っているところ。あとは、奇をてらわないデザインというか、特定の人だけに好まれるのではなく、多くの人に好まれる空間づくりをしています。

 ―――現在の売り上げはどのくらいですか。
 前期が2億8000万円。今期が4億円ほどです。今後は賃貸だけに特化するのではなく、周辺領域をどんどん広げていきたいと思っています。


会社概要
所在地 東京都渋谷区 / 設立 2009年
資本金 1000万円 / 営業エリア 1都3県
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