杉田エース 杉田裕介 社長
建築金物総合商社としてトップシェアを持つ杉田エース(東京都墨田区)。80周年を2年後に控えた今年、社長交代により若返りを図った。「10年後に700~800億円の売り上げを目指す」と話す杉田裕介新社長に今後の取り組みを取材した。
―――大分自社ブランドである「ACE」の製品数が増えてきましたね。住宅用の商材ですとポストや室内用物干しなどがあるかと思いますが、現在需要が高まっている製品としてはどのようなものがありますか。
まだ戸建て向けは少ないのですが、デッキやルーバーに利用する再生木材事業が伸びています。元々付けていた木のデッキが半年で白くなり、1年したら割れてしまったとか、汚くなってどうしようと言う人からの問い合わせが多いです。製品は高いですが、10年やそこらはもつ耐久性がありますので、取り替え時にはいいですよ。4~5年前までですと再生木材は高いなどと言われていましたけど、ここ1~2年で大きく広がりました。売り上げにすると5億円ぐらいです。
―――利益率向上のため、戦略としては自社製品の売り上げ比率を上げていく方向ですか。
そうですね。今は自社製品比率が20%ぐらいですが、利益的に安定する25%を目指しています。ただ、自社製品の売り上げが伸びると会社全体の売り上げも伸びるため比率がなかなか高まりません。売り上げが横ばいで自社製品だけが伸びていけば、25%になるのでしょうけど、イタチごっこになっていまして永遠の課題です。
―――「ACE」のシリーズで売り上げが大きいのはやはり得意とする集合住宅向けの商材でしょうか。
そうです。換気口やポストなど集合住宅向けの金物です。その辺が金額ベースで大きいのでマンションの着工戸数が増えると自社製品の販売比率も伸びるし、売り上げも伸びる構図にあります。ただ、リーマンショック以降は本当に厳しかったですね。2008年度、2009年度と2期連続赤字でした。
―――売り上げのピークであった2007年度の460億円の売り上げを考えると大分落ち込みましたね。
2007年度から考えると100億円落ちました。ただ、2010年度、2011年度と増収増益できていまして、前期も発表は出ていませんが、非常に良かったです。
―――前期は東日本大震災もありましたし、控えめに出していた分もあるんじゃないですか。リフォーム業界でも上期はものがなくて、大きく売り上げを落とした会社が多いです。
確かに見えにくかったので、半年くらいは弱めに見ていました。でも復旧関係の需要が4月からすごかったです。それがまだ続いています。
―――やはり集合住宅の工事が多く発生すると業界としていいんでしょうね。
特に私どもはゼネコン比率が高いので、建設投資の伸びに業績が連動しています。戸建ては依存率が低いので着工数が減少しても影響が少ないのですが、マンションは大きく影響しますね。

所在地 * 東京都墨田区 / 設立 * 昭和23年9月11日
代表取締役社長 * 杉田裕介氏 / 従業員数 * 391名(平成24年4月1日現在)
事業内容 * 建築金物、建築関連資材全般およびDIY用品の卸売、ならびにこれに付帯する業務

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