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ミサワホームリフォーム売上高は前年比7%増

ミサワホーム リフォーム売上高は前年比7%増

ミサワホーム
ミサワホーム
1025号 (2012/05/21発行) 5面
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ミサワホームグループ 沼尻正和氏

ミサワホームグループ
ストック事業本部/ホームイング推進部長 沼尻正和氏

ミサワホームグループ(本部・東京都新宿区)は今期、同社が新築事業で手掛けている「スマートハウス」のリフォーム版の推進、さらに人員増強を図り3~4年後には現在のリフォーム売り上げを1000億円まで伸ばそうとしている。同グループのリフォーム事業戦略の中心人物であるストック事業本部ホームイング推進部長の沼尻正和氏にインタビューした。

 ―――2012年3月期決算が発表されましたが、リフォーム事業は順調に伸びてきていますね。
グループのリフォーム売上高は586億8400万円。前年比7・2%増です。期初に立てた計画は579億円だったのでそれ以上の伸びでしたね。

 ―――今期の目標と中長期的にリフォーム事業をどれだけ伸ばしていこうと考えていますか。
今期についてはグループ全体で615億円の計画になります。近い将来にはリフォーム売上高を1000億円にしたいと考えています。

 ―――売り上げ拡大に向けて、今期は新築で大流行している「スマートハウス」をリフォームの分野にも応用して提案を行っていくそうですね。
首都圏では「ECO SMART REFORM(エコ・スマート・リフォーム)」といった名称で営業を開始しています。これこそハウスメーカーならではのリフォームではないかと思っています。

 ―――具体的な提案商材はどのようなものになりますか。
まずは太陽光ですね。4月に、フジプレアムという薄型のガラス製造技術を持つ会社と共に、・超軽量型 の太陽電池モジュールを採用したオリジナル太陽光発電を開発しました。

 ―――超軽量というと?
太陽光発電システムは架台などを含めると、3kWで300キロ近くあるのですが、これを160キロくらいに軽量化しました。ガラス部分を軽量化できたことが大きいですね。これまで技術部からは、余分な荷重をかけてはいけないので、太陽光は載せない方が良いと言われていたのですが、それなら軽いものを作ろうと、パートナーを探してきて開発しました。これならば家にかかる荷重を減らすことができるので、従来は躯体を補強しなければ搭載が難しかった家にも載せられるというケースが出てくると思います。

 ―――ミサワホームの既存住宅にはどれくらいの太陽光が搭載されているのでしょうか。
まだまだ少ないですね。前期の販売実績は600件程。これを今期は年間1000台の販売が目標です。営業マンは1000名ほどいますので、1人1台売る。

 ―――新たに「エコスマートリフォーム」のカタログも作ったそうですね。
スマートハウスというと、太陽光、蓄電池、HEMS、オール電化といったものが中心ですが、これに耐震補強、外壁塗装による耐久性向上リフォームなども含めて「賢い(スマート)暮らし」として提案できるようになっています。お客さんも、営業マンもまだ、「スマートハウス」に対する知識が十分ではありませんので、なかなかそれらの省エネ設備だけを売るのは難しいので、引き合いが来たら、どのリフォームにでも対応できるように作っています。「スマートハウス」という打ち出し方は、今のところそれそのものを売るというよりは、フックとしてお客さんに反応してもらう言葉といえるかもしれません。

軽量型太陽光で販売数を伸ばす
▲軽量型太陽光で販売数を伸ばす

1500名で1000億円へ

 ―――営業体制で今期はどのような点を強化しますか。
1番は増員を図ることです。今年の3月末時点でグループのリフォーム営業担当が987名でした、これを今期1100名にしたいと思っています。そして、来年度が1200名。近い将来には営業を1500名体制にして、リフォーム売上高1000億円を目指します。販売量を増やすにはやはり人を増やすことがカギなのですが、これがなかなか増えなくて困っています。

 ―――2010年頃に1000名体制になってから、その後あまり増えていませんね。
若干減っているんですが、売り上げは伸びていますので一人当たりの生産性は上がっているんです。

 ―――どういった役割の社員を増やしていくわけですか。
基本は私たちが「リフォームエンジニア」と呼んでいる営業を増やすことがメーンですね。さらに、営業の効率化を図るために分業化も進めていこうかなと考えています。今は大きいリフォームディーラー以外はほぼどこでも接客、設計、管理、アフターといったように営業マンは一気通貫で行っています。分業化を図るためにはエンジニアだけでなく間接人員も増やし、組織を大きくしていきたい。それがまず今一番やりたいことですね。

 ―――なかなか人が増えない要因は何ですか。
各ディーラーには「リフォーム営業の増員」という方針は以前から出してはいます。共同募集という形で広告などの支援も行っています。ただ、私たちはあくまで営業推進の本部で、実際の採用は全国のディーラーが行っています。中には新たな人材を採ると営業効率が下がったり、コストがかかったりと敬遠しているところもあるのかもしれません。

 ―――ディーラーは21社あるそうですが、各社が思い切って採用数を増やせるような支援をすることが大切ですね。
本部では新たな教育制度を作りました。ディーラーが採用して、こちらに預けてくれれば、戦力として育てるというような連携ですね。これまでの研修は初回の導入研修が中心だったのですが、段階を通じてスキルアップができるように変えました。研修への参加率を上げるために、ほとんど参加を義務とするような形にしていきたいです。

 ―――強化エリアはどこになりますか。
東京、名古屋、大阪が中心ですね。売り上げでは4割くらいが首都圏になります。

 ―――採用は中途ですか。
即戦力として中途を増やしたいですね。ただ新卒のリフォームエンジニアも今年30名くらい入っています。積水ハウスさんも三井不動産さんも女性の活躍が目立っていますよね。私たちも最近は女性が増えてきています。


会社概要
本社 * 東京都新宿区 / 代表 * 竹中宣雄
リフォーム売上高 * 586億円
リフォーム拠点 * 販売ディーラー21
リフォーム人員 * 987名(営業担当・2012年3月末時点
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