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空間提案で18年度1000億円へ パナホームリフォーム

パナホームリフォーム
中田充彦 社長
1101号 (2013/12/17発行) 7面
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パナホームリフォーム 中田充彦社長

パナホームリフォーム 中田充彦社長

220万円のリノベ単価を300万円に

今年4月に設立されたパナホームリフォーム(大阪府豊中市)が、10月から営業を開始した。同社はリフォーム専門会社として、パナホームから分社化。リフォーム部門を分けたことで、専任体制の明確化や意思決定のスピードアップ、人材育成等を進めていく。本体のストック事業本部の傘下として2018年度にはストック事業で1000億円を目指す同社の中田充彦社長に今後に向けた戦略を聞いた。

OB客の補足率を6割に

 ―――リフォームの専門企業を立ち上げられたことから、ストック事業に本腰という印象を受けました。
 社内的には4年ほど前からストックのプロジェクトを立ち上げていました。その頃からストックの概念がどうあるべきか議論を重ねていまして、今回のストック事業本部への再編のタイミングで私が担当することになりました。その中にリフォームの新会社の設立も入っています。

 ―――ただ、最近はリフォーム市場が急激に変化しています。家電量販店やTVショッピングでのリフォーム販売も出てきて、業界自体の競争が激しさを増していますが、その中での戦略をどのように考えていますか。
 結局、そうした事業者が競争相手になってきましたら、今の我々のスキームでは対応できないと思います。そうするとどうするのかという話ですが、ストックという意味でパナホームで建てていただいたOBのお客様、内部ではそのお客様へのリフォーム工事をリライフと呼んでいるのですが、その需要をきちっと取り込んで行こうと。これはアフターメンテナンスと連動しながら、仕組みが機能していくようにしていきます。

 ―――現在のOB顧客数はどのくらいでしょう。
 今年でちょうど50周年ですが、約40万戸です。この方々への補足率(リフォーム実施率)が3割ほどと非常に低いことが我々の課題です。

 ―――リフォーム補足率でいいますとハウスメーカーさんの中では旭化成さんが6、7割と最も高い数字となっていますが、どのくらいを目指すのでしょう。
 補足率のトップメーカーを目指して、最低でも6割、これをまず足掛かりにしようと。ただ、家電量販店やネット販売など相当侵食されているのが実情だろうと思いますが、ここに手を打ちながら、既にリレーションがあるOBのお客様をきちっと固めていきます。そのための仕組みを再整備しようと、ストック事業本部の傘下に、CS推進部、アフターサービスを含めた部隊を入れ込んでいます。もう1つは流通、不動産ですね。パナホーム不動産という会社をストックの概念の参加にいれてます。そして新しい事業を立ち上げる目論見です。

 ―――OB対応にしろ、やはり別会社にして動きやすくなりましたか。
 新築のスキームにストックが入っている状況では無理なんです。ご存知のようにリフォームは新築と全部違いますよね。営業のやり方から業者さんの施工の仕方、あるいは施工のチェーンを形成するにしても、全然違う。また、人材にしてもこれまでリフォームは50歳を超えたようなベテラン営業マンが多かったのです。しかし、新築は若い戦力をどんどん投下していますから、同じ拠点に入っていると年代の違いでチームセールスがうまく機能しません。新築と同じ括りの中では、この構図は変わりません。

暮らしの提案が使命

 ―――新会社では新しい人材もどんどんと登用していくようですが、早速パナソニックさんから、人員が入っています。彼らはどんな役割を担うのでしょう。
 これが、何より新会社のミソ、キーワードになっています。パナソニックES社を中心に約40名の人に来てもらいまして、そのうち約30名は実働部隊です。彼らに、東京の広域営業部に入ってもらいまして、動いてもらっています。ご存知のようにパナソニックグループ全体で、2018年、創業100周年に向かって車と住宅、この領域を特に伸ばそうという方針がでています。それぞれ、金額は2兆円なのですが、その中で住宅事業を司るのがES社。そのES社が2兆円の絵を描くのに特にリフォームというキーワードがクローズアップされていまして、我々のパナホームは、2兆円のうちの5000億円、さらにリフォームでは新会社で1000億円やろうと。そこで、このES社からきた40名はマンションのフル改装のような、空間提案を新事業で先駆けて行っていたメンバーでして、その具体的な表現先がリフォームなんです。

 ―――つまり、パナソニックの空間提案技術をリフォームに活用すると。
 はい。暮らしの提案ですね。このリフォームをやることによって、あなたの住まい方が具体的に変わりますよと。こんな生活をしてみませんかと、それが我々の使命と思っています。

 ―――具体的な提案への落とし込みはどのように考えていますか。
 例えばですね。コンセプトブックという冊子で、照明などを非常に上手に使った事例を載せています。こういった場合には、間接照明をあてて、素敵な空間ができる。それをプランニングマニュアルというものを作り、少しずつマニュアル化しているのです。

 ―――営業マン個々の提案能力を向上していくわけですね。
 マンションもES社が行ってくれていましたが、そうしたノウハウをもっと広げて、木造の住宅も含めて行っていくと。今まで我々は木造住宅も古民家再生のようなこともやってきましたから。この空間提案の考え方は、随所に活用できます。今まではES社では商材ごとに専門でやってきて、照明は照明、風呂は風呂とすみ分けされていました。うまくいっていなかった横串の提案、つまりトータル演出をリフォームで実現していきます。ただ、新築OBのお客様の数ではハウスメーカーの中で差をつけられていますから、勝てないと。そこで、これを駆使しながら、一般市場、内部ではリノベーションと呼んでいますが、ここに切り込んで行こうと考えています。

 ―――現在は、グループで472億円のリフォーム売上高のうち、新規対OBの割合が3対7ほどです。1000億円ではどのくらいの割合で考えていますか。
 一般の方を増やして、6対4ほどで考えています。そのために、新しい事業を起こしまして、その1つがマンションの管理業務から派生するようなマンション専有部のリフォーム、あるいは買取再販事業です。

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