フジ・ホーム 藤原秀政 社長
キーワードは「変革の絆」、自社ブランドの確立へ
京都府に本社を置く有力リフォーム企業、フジ・ホームが大きな事業転換を進めている。屋根工事を主体とする提案体制は据え置くものの、昨年から水まわりリフォーム工事を強化。本社隣にショールームを開設したほか、パナソニックのリファインショップの展開も開始した。同社の藤原秀政社長に今後の戦略を聞いた。
フジ・ホームは、昨年6月に本社隣の土地を買い取り、展示スペース約153坪のショールームをオープンした。従来2台だったキッチンの展示点数を7台に増加。さらに、バス、トイレ、洗面化粧台といった水まわり商材のほか、太陽光発電パネル、フローリングなどの最新商材を揃えた。
営業形態を一新
―――昨年は、自己資金でショールームをオープンするなど、変動の時期だったのではないですか。
そうですね。昨年のキーワードは「変革の絆」としました。変革というのは、営業形態を変え、より強固な絆をもって事業を進めていくということです。具体的には、ショールームという箱を作り、お客様にきていただく。事業を始めてもう27年になりますから、京都の椥辻(なぎつじ)という小さい町を本拠地に、分母が小さいとはいえ京都・滋賀のエリアの独立経営のリフォーム会社としては際立つことができました。その強みを生かしていくことです。
―――その後8月には滋賀県にリファインショップを開設しましたね。
滋賀県は真ん中に琵琶湖があり、湖西と湖東に分かれています。湖西に営業所はあったのですが、湖東の工事の管理をするとなると、橋はあるにしろ1時間ぐらい時間のロスが生じます。それと、ショールームが滋賀にはなかったので、一石三鳥、四鳥を狙って、野洲市にオープンしました。
―――"変革"に踏み切ったのはやはり、積水化学工業の屋根事業撤退が大きかったのでしょうか。
うちがここまでたどり着けたのは、積水化学の屋根事業が大きな指針、下支えとなり、生産性の高いキャッシュフロー経営ができてきたためです。積水化学が9月に事業撤退しましたので、これを機に人を採用し新しい土壌で戦うブランド力を築くことが大事かと考えています。リファインショップの展開はその一環です。
―――すると、今後の屋根工事とリフォームの売り上げ割合はどのように見ていますか。
9月までは半々ほどでしたが、これからは、屋根4対リフォーム6ほどとみています。そのために、総合リフォームに早く転換するための人材確立、これは死活問題ですね。
借り入れなし、自己資金でショールームをオープン
1階はキッチンを複数展示
2階はトイレと洗面化粧台がずらりと並ぶ
藤原社長は、昨年60歳という節目を迎え、事業継承を今後の課題と考える。2年半前に2名の人材を常務として抜擢したほか、昨年はホールディング化にも取り組んだ。
新卒採用にも挑戦
―――変革の1つに事業継承があるのではないですか。以前からその準備に取り組まれておられたので。
この4年、専門のコンサルにも入ってもらい、継承のプログラムを組んでもらいました。ただ、継承するにも、先ほども話した通り人手不足の問題がありまして、新卒採用に挑戦するなど、取り組みを進めています。
―――もともと営業マンの1名あたりの売り上げが1億円ほどあり、生産性が高い御社ですから、人員不足は厳しいですね。
今期は15億円ほどを計画していまして、対する営業マンの数は8名です。トップ営業マンなどは月に最大6500万円、年間3億5000万円ほど受注します。さまざまな手で人を採用し、屋根工事を保持しながら、水まわりの契約を増やす人材の確保と成長が課題です。

所在地 * 京都市山科区椥辻 / 設立 * 平成9年 / 資本金 * 1000万円
売り上げ * 15億7000万円(2012年度) / 拠点 * 4カ所

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