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TOTO、「高齢者」「中古住宅」リモデ...

TOTO、「高齢者」「中古住宅」リモデルを強化

TOTO
古部 清氏
1109号 (2014/02/18発行) 7面
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TOTO 古部 清氏

TOTO
取締役専務執行役員
販売推進グループ・マーケティンググループ担当
古部 清氏

TOTOの業績が好調だ。2013年度はすべての四半期決算で売り上げ計画を上方修正しており、通期は売上高で前年度比115%の5500億円、営業利益で同197%の460億円を計画。営業利益は、同社の2017年度に向けた中期経営計画「Vプラン」の480億円間近の数字となった。古部清取締役専務執行役員販売推進グループ・マーケティンググループ担当に今後の戦略を聞いた。


2014年は80万戸後半予測

 ―――今年の新築着工数は各社大きく落ち込むとの見方ですが、御社の予測数字はどのくらいですか。
 80万戸後半ぐらいです。

 ―――リフォームはどうでしょう。
 弊社も2013年度は、2ケタ以上伸びていますし、今年度に比べると大きく伸びることはないと思いますが、堅調に動くとみています。4、5月は落ちるかもしれないという見方はありますが、100万円の工事ですと3%上がっても3万円ですから。

 ―――そもそも御社はリフォームに強いのでどう進化させるかですね。
 Vプランでリモデル戦略加速を掲げている中で、力を入れていきたいのが高齢者と中古住宅です。

 ―――高齢者は、住宅向けですか。
 はい。国の方も在宅介護を打ち出していますので、元気な高齢者に向けて「備えるリモデル」を進めています。

「備えるリモデル」推進

 ―――今後の商品戦略は。
 元気な高齢者は「備える」を前面に出すと嫌がりますので、さりげなくかつ配慮した商品の開発です。健康な普段はなんの違和感もなく使っていますが、年を取った時に便利だなと思える。
 例えば、サザナのベンチ付タイプ。健康な時はシャワーを浴びる椅子に使えますし、年をとったら座ってから浴槽に入ることに使えます。

 ―――もう1つの中古住宅に向けた施策は、どんな内容でしょうか。
 一般に流通している中古住宅からどう取り込むかですが、リモデルクラブ店さんと不動産会社に協力体制をとってもらい不動産売買時にリモデル、ローンまでワンストップでできる仕掛けを作ろうと。昨年くらいから進めて、HOME,S総研所長の島原万丈さんにお願いしてやり方などの講習会も行っています。

 ―――約5000店あるリモデル店の今後に向けた方向性は。
 もっと地域密着ですね。5000店のうち3000店がリモデル.jpに名前を載せていますので、そこがメーンとなりますが、完全にお客さんのデータを取り、それを整理しながら提案しているところはまだ多くないです。そこで、OB客のリピートビジネスを強化していきます。

 ―――今、国内住設リモデル全体売り上げが計画値で2899億円ですが、そのうちリモデル店の売上高は10%ほどですか。
 10%はあります。割合は上げていきたい。リモデルクラブ店さんは、生活の状態とか家族構成とか考えていますので、提案力はすごいと思っています。そこからうちの商品がでますとお客さんの満足が得られますので。

バス事業が黒字化

 ―――バス・キッチン部門の売上高がレストルーム部門を抜きましたが、バス事業も最近まで赤字でしたね。
 黒字化したのは、2012年度の下期です。あれだけ売っていたのに赤字なの、と言われました(笑)。

 ―――やはり部材のプラットフォーム化が大きかったでしょうか。
 そうですね。あと、「ほっカラリ床」が差別化で売れたのと、デザインも自信を持ってだせるようになりましたので、機能面とデザインでシェアが伸びています。

 ―――ただ、キッチンはまだ赤字ですが、クラッソの新商品やボリュームゾーン向けのミッテも出し、強化の方向ですね。
 キッチンなくしてリモデルは語れませんし、ショールームでも皆さんそこを見ますから、必要不可欠な商品です。でも赤字のまま続けられない。だから事業としては黒字化し進めていくという方針です。

 ―――キッチンは市場で4.5%ほどのシェアだと思いますが、年間出荷台数は5万台ぐらいですか。
 5万台いかないくらいです。そのシェアですので、身の丈にあったSK事業で黒字化にしようと。その中で少量多品種の工法が見つかり、新商品を開発できたのです。

 ―――でも一度はやめたボリュームゾーンキッチンを復活させた理由は。
 やはりお客さんが下から上のクラスの商品に変えるケースがあるわけです。クラッソはどちらかというと中高級狙い、するとボリュームゾーンの商品も持っていないとだめですから。

 ―――キッチン黒字化の時期はVプランの2017年ころですか。
 そんな悠長なことは言ってられません。今の段階ではメドが立ったというところです。

(古部氏は4月1日付で代表取締役副社長に就任予定)
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